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運河を巡る旅 その5 〜ミディ運河ステップ3〜 [ミディ運河]

 シリーズの五回目は、自転車から降りて、ボートで運河を旅する人たちの様子をみせてもらうことにしましょう。

 

 今回は、これまでとは逆に、運河の流れとともに進んで行きます。

Paris_deuxcanal.jpg

より大きな地図で 運河を巡る旅 を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2010年4月25日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 舵を取るのがジャン=ジャックさん、陸に上がってロープでボートをコントロールしているのが友人のクリスチャンさん。

 

 水門を使って少しずつ前進していくのはなかなかデリケートな作業です。

 

 水門から出て来る水を間近でみると迫力があります。

 

 この様子を見物しようと十数人の人が集まってきました。

 

 ここは、ベジエ(上記地図の黄色の点)からトゥルーズ方向へ1キロばかり行ったところにあるフォンセランヌの水門(Écluses de Foncérannes)(上記地図の波のマーク)。

 

 航空写真で見ると、水門が8つ並んでいるのが分かります。しかも、一隻のボートが水門の中で待機しているところが写っています。

 

 水門と言っても、前方と後方に水をせき止める門が付いている、船のプールのようなもの。

 

 水をせき止めて、その前にある水門の水位と同じ高さになったら門を開けて前に進む仕掛けになっています。

 

 ナレーションで6つの水門と言っているので、この作業を6回くりかえすことになります。(残りの2つは水門の役割を果たしていないのかもしれません)

 

 ミディ運河の水門は、建設当初から強度を考えて楕円型になっていますが、この丸い形状からバロック様式と言われました。

 

 ほとんどの水門が20世紀に改築されたため、そっくりオリジナルのまま残っている水門はないそうです。

 

 「大規模な施設です。大昔の人がこれだけのものを作ったんですからすごいですよ。今ではほとんどが電動化されていますが、仕組みは昔のままです」とジャン=ジャックさん。

 

 最後の水門を通過する時は、20メートルほど水位が上がります。

 

 ボートに乗っているのは二人の男性の他に、クリスティーヌさんとソフィさんの二人の女性。

 

 4人はコルシカ島に住んでいますが、運河でバカンスをすごしにやってきました。

 

 「特別な計画はありません。運河をのんびり旅して、土曜日にはカルステルノダリに着く予定です」とクリスティーヌさん。

 

 どうやら気ままな運河の旅を楽しみにいらっしゃったようです。

 

 適当な運河沿いの町についたら上陸して、散策を楽しみ、お店や生産者から食料を仕入れ、ボートのキッチンで料理を作ります。

 

 そして、木陰のテーブルでお食事会。むむ、ロゼワインに氷?

 

 すぐに冷たくしたいならこれもありですね。うるさいことは言いますまい。

 

 楽しいお食事タイムが終わるとボートに戻って運河の散策です。

 

 しばらくすると、トンネルが見えてきます(上記地図のトンネルを電車が走っているマーク)。

 

 Tunnel de Malpasと名付けられたトンネルは、建設当時に掘られたそうです。

 

 テーマパーク風でちょっと楽しめます。

 

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、バカンスから戻ってきた。お隣さんに預けていたネコを引き取りに行くとお隣さんが言った。『ちゃんと面倒見てあげてたわよ〜』ネコを見ると、頭にはポニーテール、首にはダイヤモンドのようなものがくっ付いたピンクの首輪、足にはお手製らしき毛糸の靴……。確かにかわいがってもらったようだ」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 8

島酔潜人

『家なき子』で、運河のシーンがよくありましたが、この運河なのでしょうか?
by 島酔潜人 (2012-03-06 19:53) 

carotte

島酔潜人さん
そうらしいですよ。cyclooさんにコメントで教えていただきました。私は記憶もおぼろでですが、運河の話が出て来たのは覚えています。主人公のレミが実の母親と弟に出会った運河がミディ運河だったようです。
by carotte (2012-03-06 23:33) 

cycloo

今carotteさんのブログのくだりと同じような記述が「家なき子」にあります:

「ぼくらはヴィルフランシュ・ド・ローラゲからアヴィニョネへ、アヴィニョネからノールーズの岩へと行った。ここは、大西洋にそそぐ河川と地中海へ流れる河川の分水嶺で、ミディ運河の建設者リケをたたえる記念碑がたっている。
つぎにぼくらは水車の町カステルノーダリ、中世都市カルカソンヌをぬけたあと、八つの閘室をつぎつぎに通るとてもめずらしいフォンセラーヌの水門をへて、ベジエまでくだった。」
子供の頃フランスの実際の土地のことなど分から読んでいましたが、知ってから読むとまた違う面白さがありますね。レミは、こうして優しい婦人の白鳥号に乗って旅するわけです。
by cycloo (2012-03-07 10:25) 

島酔潜人

cyclooさん、ありがとうございます。
私も、おぼろげに運河のことだけを覚えていたので、これですっきりしました。


by 島酔潜人 (2012-03-07 18:03) 

carotte

cyclooさん、おはようございます。
ネット上から原書をpdfで入手致しました。^^
こんなものを子供時代に読んだのかと思うと驚くやら納得するやら......。大人でも読み応えがありますね。タイトルは文字通りsans familleなのですよね。
同じ箇所を探し出して読んでみました。この前の部分では、鉄道が通ってミディ運河は忘れさられ、ちょっとした物珍しい存在になっていたと書かれていますね。
海の向こうの現実とも思えない外国で起きた男の子のお話というようなイメージで読んでいたように思います。
by carotte (2012-03-08 10:15) 

carotte

島酔潜人さん
今になって「家なき子」に再会するとは思っていませんでしたね。
by carotte (2012-03-08 10:17) 

opas10

映像を見ていると、運河の幅は結構狭いところもあるみたいですね。それと、路上駐車ならぬ航路上係留の船も結構いるみたいなので、すれ違いとかどうしているのかちょと興味がわきました。そして最後の素掘りのトンネル、実にいいですね~。
by opas10 (2012-03-10 20:33) 

carotte

opas10さん
運河は往復で使えるようなので、たぶんどこか広いところで待ち合わせたりするんじゃないでしょうか。ところどころに船着き場がもうけてあるみたいですし。トンネルいいですよね。あんなところ通るんですね。
by carotte (2012-03-10 21:52) 

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