オート=ザルプ県のレストラン巡り その1 [フランスのグルメ]
ヨーロッパ・アルプスの最南端に位置するフランスのオート=ザルプ県(Hautes-Alpes)。
今日からこの県にある5つのレストランを5回シリーズで訪ねます。
第一回目の今日は、ライ(Laye)にあるLaiterie Col Bayard(下記地図の青印)。
ライは250人足らずの小さな村。プロヴァンスとアルプス山脈の間の谷間に位置するシャンプソー(Champsaur)地方にあり、チーズの生産で知られています。
そして、レストランはチーズ製造所の中にあります。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年3月5日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
シャンプソー地方のチーズは、主に山岳地帯で作られるトム(Tomme)と言われるチーズが主流です。
原料は、牛、山羊、羊の3種類。同じトムでも種類は様々。それがここの特徴です。
シェフのフレデリックさんが今日作ってくれるのは、この地方の郷土料理の一つトゥルト・モンタニャルド(“山岳地のパイ”というような意味合い)。
中心になる材料は、パイ生地、生ハム、チーズ。
まずはソース作り。
フライパンでエシャロットを炒めたら、モリーユ茸のソースを足し、ワインと少量の生クリームを加え混ぜ合わせます。
パイ生地を型に敷き、ジャガイモ、先ほどのソース、生ハム、チーズの順にのせて行き、最後にパイ生地でフタをします。
180℃のオーヴンで40分焼いたら出来上がり。
「この地方独特の料理です。食欲をそそられます」と男性。
「かなりのボリュームですね」と取材班。
「ええ、ごちそうです。これぐらいがちょうどいいんです。カロリーたっぷり」とお連れの男性。
小さいパイはトゥルトン。そして、各種チーズの串焼きみたいなのもあります。
トロリととろけたチーズをジャガイモにのせて食べるラクレットも登場しました。
ここでは、遠赤外線(?)でチーズを焼いて柔らかくしていました。お焦げも美味しそうですね。
「気取らないお店で、おいしい料理が食べられていいですよ」と女性。
ワゴンで運ばれて来たチーズは、食べ易いものから個性的なものまで60種類にも及ぶそうです。
ビンの中から取り出していたのは、羊乳で作られたカシャと呼ばれるチーズ。見るからに強烈そうな.......。
別名“独身者のチーズ”とも言われるそうで、息が臭くなるので一人暮らしの人しか食べられないとか。
食後のお口直しは、アイリッシュコーヒー、ジェネピ風味のアイスムース(ジェネピはリキュール)、グリオットのタルト(グリオットはさくらんぼの一種)。
最後のビンに入ったデザートは、ちょっと想像できない名前がついていました(Iles flottantes aux fruits rouges)。
カスタードクリームの中にさくらんぼやイチゴのような赤い果物が埋まっていて、生クリームがトッピングされているような........。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、ポン=レヴェックの役所でバカと間違われた。役所に行けばチーズがもらえるという姉の話をすっかり信じ込んでしまい、受付で、どこに行けばチーズがもらえますかと聞いてしまったのだ」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、おはようございます。
トム (tome,tomme)と呼ばれるチーズのこと、知りませんでした。「チーズ図鑑」(文春新書)を見ると、フランス各地にトムと呼ばれる各農家がが作る小型チーズある、一番有名なのは牛乳で作るサヴォアのトム、・・・などと紹介されていました。強烈だというカシャ、食べてみたいです。
by wattana (2012-03-10 09:10)
wattanaさん、こんばんは。
tommeは、以前、当ブログに登場した、ジャガイモとチーズを混ぜた食べ物アリゴに使われています。
あのどろっとしたカシャ(cachat)は、すごそうですね。鼻につんときそうな感じがします。
by carotte (2012-03-10 20:22)
一人暮らしの人だけなんて言われると、カシャてどんなにすごいいんだろうと思ってしまいますね。くさやとか納豆とかも食べたことない人にはそういう感じなんでしょうか…とちょっと思ったり…。
by yuzuhane (2012-03-10 20:57)
yuzuhaneさん
食べたことがないので何とも言えませんが、たぶん、くさやと納豆の上にアンモニア系の匂いが加わるのではないかと思われます ^^;;
怖いもの見たさで、一口食べてみたようなみたくないような......。
by carotte (2012-03-10 21:59)
カシャ、気になりますね~(笑)。想像するに、日本人にとってのクサヤ、タイ人にとってのドリアンみたいな、美味しいけど怖い(笑)という感じなのでしょうね。
デザートの想像できない名前も気になります~。そして、悩める中年男のCM出てきました!家に戻ってきた妻?娘?から慰めの言葉をかけられつつキッチンで電卓叩いて苦悩する男!
by opas10 (2012-03-11 11:44)
人の味覚というのも神秘ですね。あのデザートの名前を直訳すると「赤い果物に浮かぶ島々」なのですよ。フランス料理ってよくこういう名前の付け方をします。
あの悩める中年男のCMはやっと出てきました。ざっと見た感じだと、たぶん、お父ちゃんが深刻な顔で家のローン(又は家賃)の支払に頭を悩ませているところに娘が夜遅く帰って来る。娘は、いったいどうしたんだろう?といぶかしく思う。で、お父ちゃんが「いいから、お前は早く寝ろ」と言う。で、銀行がお困りのときはご融資いたしますよ、という言う。ソシエテ・ジェネラルは、しばらくこのドラマ仕立てのCMで行くみたいですね。
by carotte (2012-03-12 11:38)