祈りの旅 その2 ヴェズレー [教会]
シリーズの二回目は、ブルゴーニュ地方のヴェズレーにあるサント=マドレーヌ大聖堂を訪ねます。(下記地図の赤印)

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年4月5日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
朝もやの中、丘の上にある大聖堂が姿を現します。
「ここで暮らして15年になりますが、この眺めが一番素晴らしいです。大聖堂がもやの中に浮いているように見えます」と男性。
教会の中では朝のミサが行われていました。
聖職者の他に、巡礼者とおぼしき人たちも祈りを捧げています。
ここは、フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にある教会の一つ。
さきほど大聖堂の美しい姿を教えてくれた男性アランさんは、数年前、ここから70日かけてスペインの聖地まで巡礼したそうです。
それ以来、仲間とともにボランティアで巡礼路の管理を行っています。
アランさんが管理しているのは35キロほどの区間。目的地までは全部で1780キロほどあります。
「全部を歩けば、シェイプアップできますよ(笑)」とアランさん。
サント=マドレーヌ大聖堂が繁栄したのは12世紀頃。
9世紀後半、フランス南部のサント=ボームから回収し、保管してあったマグダラのマリアの聖遺物を、信者に公開し始めたのがその要因です。
南扉の上のレリーフには、ひざまずくマグダラのマリアが彫られています。
聖遺物は地下礼拝堂に納められ、巡礼者に公開されています。
どうやら遺骨の一部のようです。本物???追求しても無駄ですね。
「7月22日のマグダラのマリアの日には、ここから出して信者さんたちに公開します。皆さん見にいらっしゃいます。写真を撮る人もいます」と司祭。
ここにはヨーロッパの各地から巡礼者が集まってきます。
そういう人たちのために宿泊施設を提供していますが、神父さんはこんなことをおっしゃっていました。
「最近は携帯電話を使って到着前に予約を入れようとする巡礼者が多くなりました。でも、それは受け付けないことになっているんです」
神父は巡礼ノートにスタンプを押し、宿泊施設へと案内します。
毎年3月〜10月までの間に600〜700人の巡礼者が宿泊するそうです。
その多くが、ドイツ、ベルギー、オランダからの方々。この日の巡礼のご夫婦は、歩き疲れてよく眠れるとおっしゃっていました。
宿泊料は決まっていません。巡礼者が払える額を置いて行きます。
中世の頃には第二次十字軍がここにやってきたそうです。
兵士の数は3万人。宿泊所として地下室も使われました。
そして1946年、ヴェスレーは平和の十字軍として、敵味方の区別なく各地から巡礼者を受け入れたそうです。
次回は、パリのノートルダム大聖堂です。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、5才になる娘が、ミサの間も私に話しかけようとするので、お祈りが終わるまで我慢するように言った。すると娘が言った。『パパ、今、いつものお金を神父さまにあげれば、すぐに教会から出て行ってもいいと言うかな?』娘の声は静かな教会にこだました」
VDM (Vie de merde)より
素敵な色ですね。
靄の遠くに霞む大聖堂。そしてなだらかな地平線。
巡礼の路ですね。
by orange (2012-04-10 22:36)
orangeさん
冬の寒い時期でしたが、どうしても一度本物が見てみたくて見学に行ったことがあります。魅力にあふれたとても美しい建物でした。朝もやの中の教会は特別神聖な場所に見えますね。
by carotte (2012-04-11 09:44)
朝もやの中から大聖堂が現れる景色は幻想的ですね。フランスの田園風景と大聖堂って、ものすっごくマッチングします!!今回は聖堂内部を撮影するのに、遠近法をうまく使っている場面に感心しました。
by opas10 (2012-04-15 17:59)
opas10さん
こんな大聖堂を見せられたら、なんでもいいからキリスト教徒になっちゃえ!なんて思う人もいるかもしれないです。重々しさと親しみ易さの両方がある教会です。
by carotte (2012-04-16 09:17)