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フランスの湯治場巡り その1 [オーヴェルニュ地方]

 今日からフランスの各地にある湯治場を訪ねるシリーズを始めます。

 

 第一回目の今日は、フランス中部アリエ県の湯治場ブルボン=ラルシャンボー 


Paris_Bourbon.jpg
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年4月16日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 フレスコ画とタイルで装飾のほどこされた見事な建物は、ブルボン=ラウシャンボーの湯治施設。文化財の指定を受けています。

 

 その温泉は古代からリューマチに効くことで知られていました。源泉の温度は55℃。

 

 「編み物もできないくらいだったのが、ここに来てこのとおり。あまりの回復ぶりに驚いてますよ」と湯治中の女性。

 

 湯治の一つがスチームを使った療法。

 

 「ここに来たばかりの時は、歩くこともできなかったのが、今は、少なくとは1時間は歩けるようになりました」と全身スチームの男性。

 

 手だけをスチームの中に入れるのもあります。

 

 「こうしていると手が楽になります。曲がっていた指もまっすぐになりますよ」と女性。

 

 ベッドでの治療は温湿布。痛みを和らげます。

 

 「3週間、静かな環境で治療を受け、休養を取った後は、もう薬のお世話にならずに済みます」と女性。

 

 中央山岳部の地下奥深くにある火山台地で暖められたミネラルの豊富な地下水がここの源泉です。

 

 「結局、温泉治療は経済的なんですよ。ここで3年ほど治療すれば、薬の量を減らすことができますし、仕事を休んだり病院に行く回数も減らせます」とリューマチの専門医。

 

 かつてこの地域はブルボン家の領地でした。

 

 ブルボン家のお風呂と言ってもいいくらいのこの温泉には、昔から多くの人が湯治にやって来ていたようです。

 

 その中には、ルイ14世の愛人モンテスパン侯爵夫人や、書簡作家セヴィニェ侯爵夫人、さらには18世紀から19世紀にかけて活躍したフランスの政治家タレーランもいたそうです。

 

 タレーランはHôtel Montespanに滞在してリューマチの治療に来ていたそうです。

 

 ホテルのご主人が見せてくれたのが、タレーランが滞在した部屋。

 

 湯治客は、午前中に施設で一通りのケアを受けたら、午後はこの地方のグルメを味わい、観光に出かけます。

 

 ブルボン=ラルシャンボーはかつては城塞都市でした。19世紀にほとんどの城塞が崩されてしまいましたが、3つの塔がかろうじて残されています。

 

 そして、サン=ジョルジュ教会には、サン=ルイの息子が十字軍で持ち帰った聖遺物が納められているそうです。

 

 聖遺物とは、キリストがかぶっていた荊の冠の棘の一本。ガラスの中に納められていました。

 

 もう一つは、キリストの磔刑に使われた十字架の木で作られた十字架です。

 

 ここにはギターの工房もあります。

 

 「あまり知られていない職業ですからねえ。こうやって湯治客の皆さんに興味を持ってもらえるのは光栄です」と職人さん。

 

 確かに、こんな生活を何日が続けていたら、心身ともに健康になりそうです。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、下着姿でバスルームいる娘に言った。『やっぱりDNAねえ。体型が私とそっくり』娘はもう30分も前から泣きっぱなし......」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 8

wattana

carotte さん、おはようございます。
Hôtel Montespan Talleyrand の正面からの映像の後に映ったお皿にのった丸いもの(食べ物?)のことが気になりました。何なんでしょう? そして、この地方のグルメ、映像を止めてしっかり見たんですが、よくわかりませんでした。ナイフで切っていたのは、肉でしょうか~、違うような気もします。
by wattana (2012-04-21 04:26) 

月夜のうずのしゅげ

ゆっくり楽しめそうな湯治環境ですね。
by 月夜のうずのしゅげ (2012-04-21 05:28) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
カップルがテラスで食べていた料理のことでしょうか?
給仕の人が「牛のほお肉と野菜」と言っていました。
このあたりの特産と言えば牛なんだろうと思います。

by carotte (2012-04-21 08:32) 

carotte

月夜のうずのしゅげさん
温泉だけでなく観光であちこち見て回ることもできるみたいなので楽しめそうです。あのスチームの機械に入ってみたいなあなんて思ってしまいます。
by carotte (2012-04-21 08:37) 

orange

みなさんお肌がツルツルですね。
健康そうなお食事も提供されて。増々元気になれそうです。
以前、南ドイツでクナイプ療法発祥の地に1週間ほど滞在しましたが、ホテル毎に色々な特色がある療法や健康プログラムを提供していました。
フランスもこの種の療法は保険適用なのでしょうかねぇ。
by orange (2012-04-21 08:56) 

carotte

orangeさん
どのかたも血行がよくなってお元気そうです。
クナイプ療法ありましたね。ここも恐らく同じように症状に合わせていろいろなプログラムを用意しているんじゃないかと思います。保険の適用もあります。ただし、お医者さんの処方䇳がないといけません。日本はそこまで行ってないですね。
by carotte (2012-04-22 10:21) 

opas10

湯治施設のインテリアは本当に見事ですね、驚きです。全身スチームは、体内の毒素を出してくれそうで、かなり魅力的です、特に体内の毒をため込んでいる自分には(笑)。こんな環境の中で湯治していたら、治っても俗世間に戻りたくなくなりそうです。
by opas10 (2012-04-22 12:33) 

carotte

opas10さん
りっぱな建物でした。当時、温泉といえばこんな風に作るのが普通だったのでしょうね。全身スチームは入ったことがないのですが、気持ち良さそうです。毒素を抜かれて、あそこから出たとたんに、ふにゃふにゃになりそうな......。
by carotte (2012-04-22 17:59) 

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