続メイド・イン・フランス その2 [メイド・イン・フランス]
シリーズの二回目は、お人形。
飾っておくためではなく、子供が一緒に遊べる人形です。
作っているのはフランス北西部ムーズ県エテンにある会社Jouets Petitcollin。
Petitcollin(プティコラン)は創業者の名前。創業は1860年。
当時は角や象牙で櫛を作っていたそうです。
セルロイドに興味をもった創業者が、1926年、そのセルロイドを使って赤ちゃんの人形を作って売り出しました。子供が水遊びで使う人形です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年5月19日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
次々と作り出される人形の頭。
現在はセルロイドではなく最新の合成樹脂。
そして、人形に仕上げて行くのは職人さんたちの手です。
中国製との競争に持ちこたえている唯一のフランスの工場だそうです。生産量は年間30,000体ほど。
「気をつけているのは製品の差別化です。つまり全体の質を良くすることです。製造方法、原料の他に、デザインにも力を入れています。お母さんが子供に買ってあげたいと思ってくれるようなデザインにしています。人形の着ている服も同様です」と責任者の方。
「マルセイユのデザイナーが毎年新しい洋服を考えてくれます。それを実際に作るのが私の仕事です」と縫製担当の方。
工場では製造工程を見学することができます。
ご高齢の女性お二人は、1950年代の最盛期にここで働いていた方々。
国内と海外の両方で顧客を満足させるためには買いやすい価格でなければなりません。
となると、そのための譲歩、つまりはコストを下げることも必要です。
人形の着ている服はチュニジア製。さらに、従業員は一人で何役もこなします。
この工場、2007年から国の文化財の指定を受けています。
日本には人間国宝というのがありますが、その企業版のようなもの。
2009年にはここの人形が切手にもなったそうです。
顔の表情がなんとも魅力的なお人形でした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、娘がうちのネコを着せ替え人形にして遊んでいたのだが、ネコは嫌がってどこかへ逃げて行ってしまった。帽子をかぶって、ガウンを着たネコを見かけたら、それがうちのネコです」
VDM (Vie de merde)より
中国も最近は人件費が高騰しているので、こうした労働集約のローテク産業は今後ミヤンマーあたりがコンペチターになりそうです。でも人形はコスト以上に表情やファッションが大事!どこの国でも地場企業には頑張ってもらいたいです。
by opas10 (2012-05-27 17:12)
opas10さん
やはり中国も事件費上がって来てるんですね。
この会社もなかなか大変らしいですよ。どこかの大きい企業の傘下になってがんばってるようです。
by carotte (2012-05-27 22:53)