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フランスの美しい通り その2 [ローヌ=アルプ地方]

 シリーズの二回目は、フランス南東部の都市リヨンの旧市街地にあるサン=ジャン通り(rue Saint-Jean)。


 サン=ジャン広場とシャンジュ広場を南北にむすんでいます。


 この通り、3世紀頃にはすでに道筋ができていたそうです。


 そして、フルヴィエールと呼ばれる丘の上(下記地図の赤印)の住人が水を求めてソーヌ川(下記地図の緑印)まで降りて来ていたのが、通り沿いに少しずつ建物を作り始め、出来上がったのが現在の界隈だそうです。

Paris_Lyon.jpg
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年6月5日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら

 

 黄金の太陽、おんどり、そして鐘の音。


 それは14世紀に作られた大きな仕掛け時計。


 サン=ジャン通りの入り口にあるサン=ジャン大司教教会(上記地図の青印)に保存されています。


 実物は→こちら


 毎日、4回だけ仕掛けが動いて、受胎告知のシーンを再現しているそうです。


 この時計、宇宙時計と言われており、日付や時間のほかに、月、太陽、地球の位置も示してくれます。


 もちろん、14世紀製ですから、月も太陽も地球の周りを回っています。


 さて、教会の方はもっと古く、建てられたのは12世紀後半。


 ご覧のとおりロマネスクとゴシックが同居した建物です。


 ここから上を見上げると、フルヴィエールの丘に立つノートル=ダム聖堂が見えます。


 リヨンに来たら、ここからサン=ジャン通りを見物しながら、丘の上まで上がるのが定番の観光コース。


 この界隈には、建物の一階に細いトンネルのようなものを作り、通りから通りへ移動できるトラブール(traboule)と呼ばれる通路があちこちにあります。


 映像では、トラブールをぬけると建物の中庭に出ました。


 この眺め、素晴らしいですねえ〜。


 ルネッサンス期に比べると12世紀頃は人口もそれほど多くなく、馬も、荷馬車も走っておらず、頭の上にゴミが落ちてくることもなかったそうです。


 ということは、ルネッサンス期には建物の上からゴミを捨てていたってことになりそうな………。


 サン=ジャン通り界隈は1960年代に大々的に修復が行われ、道路の石も敷き直されたそうです。


 そして昔のように道路の真ん中に排水溝が作られました。


 「昔、華やかな夜会服を着ていた女性たちは、真ん中ではなく、高くなっていた道路の端の方を歩いたそうです」とガイドの女性。


 通りを歩いているとかなり古そうな建物が並んでいます。ぶらぶら散歩しながら建物を眺めていると面白いものがみつかりそうです。


 「歩きながら少し視線を上げれば、あちこちに気になるものが見えてきます。建物の角にある彫刻、玄関の鴨居にあるレリーフ、窓枠。何世紀も経て今も残っている歴史の証人のようなものです」とおっしゃっているのは、旧市街地再生協会の方。


 通りでは、グルメの町にふさわしく、この地方の名産品を売るお店も並んでいます。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、通りで友達をみつけた。私に気づかなかったので、驚かそうと思い携帯に電話した。すると友達は、携帯をポケットから取り出し確認すると、ため息をつき、出ようとしなかった」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

wattana

carotte さん、おはようございます。
リヨンは、3年 (2006~2008年)続けて行ったので、なつかしいです。ユネスコの世界文化遺産指定地内にある旧市街、3年目に歩いた時、レストランの入れ変わりが早いことに気づきました (歴史的建造物の家賃はかなり高いのかもしれません)。フルヴィエールの丘の上から見ると、リヨン (旧市街、ソーヌ、新市街、ローヌ、パール・デュー地区)の発達がよくわかりました。映像の終わりに映ったリヨン銘菓のマジパン菓子 「クーサン・ド・リヨン」、事前期待が高すぎたのか、ちょっとがっかりしました。
by wattana (2012-06-09 07:06) 

yuzuhane

サンジャン大司教教会ッて確かアンリ4世が結婚式を挙げたという古い教会で、ガーゴイルが直角に突き出しているところですよね。この時計には気がつきませんでした。この通りは本当に雰囲気がいい通りで、ここにある古い建物を利用したクールデロジュというホテルに泊まりたくて再訪しました。そしてトラブールまさにあそこの場所、入って写真撮らせてもらったのを懐かしく拝見しました。リヨンはブションも魅力的ですが、2度目に行った時は全回のレストランの位置が様変わりしていて驚きました。でもまた行きたい素敵な場所ですね。
by yuzuhane (2012-06-09 07:16) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
私がリヨンに行ったのはさらにその前で、今から12~13年前のことで、かなり記憶がおぼろですが、サンジャン大司教教会の大きさとこの趣のある界隈はよく覚えています。フルヴィーエールの聖堂はちょっと俗っぽいん感じがしました。食べ物はあまり期待しない方が美味しかったりしますね。
by carotte (2012-06-09 08:57) 

carotte

yuzuhaneさん
そうです、その教会です。私もこの時計は知りませんでした。とにかくベージュ色のすごく大きな教会というのを覚えています。教会というと何故かここの教会を思い浮かべることが多いです。トラブールは体験されたんですね。私はこんなものがあるとは知りませんでした。あの中庭は中世に戻ったような気分になれますねえ。
by carotte (2012-06-09 09:07) 

opas10

あの中庭、トラブールを歩いていたら突然視界が開けてああした景色に遭遇できるなんて、たまらない仕掛けです!そして最後に出てきた建物の装飾のディテールもタマラナイですね~。マニアにとっては垂涎ものです。
by opas10 (2012-06-10 11:48) 

carotte

opas10さん
こういう通りは、じっくり見て回ると楽しいと思うんですよ〜。あれはなんだ?これはなんだ?となりそうです。それにトラブールはちょっと歩いてみたいです。
by carotte (2012-06-10 21:53) 

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