フランスの最も美しい村 その1 [アルザス地方]
フランスのあちこちにある「フランスの最も美しい村」。
現在、157の村がこのエンブレムを手にしています。
このうちの5つを5回に分けて訪ねます。
第一回目の今日は、アルザスワイン街道にある村ユナヴィール(Hunawihr)。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年8月27日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
村の人口は600人あまり。お城が3つもあるリッチな村です。
そんな村を散策している人たちの中に日本人の観光客がいらっしゃいました。
ここは日本人によく知られている村だとか。
「こんな感じの風景は日本にはありませんから感動しますね」と日本人ツーリストの方。
村にはルネッサンス様式の建物と木骨構造のコロンバージュ様式の建物が混在しています。
いずれも手入れが行き届いているのがよく分かります。
昔話に登場しそうな村ですが、ここでちゃんと暮らしている人たちがいます。
村にはお店は一軒だけ。村人たちが入れ替わり立ち替わり買い物にやってきます。
「ここは静かですよ。夜はぐっすり眠れますし、朝は小鳥のさえずりで目が覚めます」
「確かにここは美しい村だと思いますよ」
村の南、ブドウ畑に囲まれた小高い丘にあるのは14世紀に建てられた村の教会(Église Saint-Jacques-le-Majeur)です。
珍しいことにこの教会、石の要塞で守られています。中にはお墓があります。(航空写真で見ると八角形の要塞があるのが分かります)
そして、もう一つ珍しいのは、1687年からカトリックとプロテスタントが共有していること。
平和な村の象徴のような教会です。
教会のお墓からは、遠くにドイツの「黒い森(シュヴァルツヴァルト)」が見えます。
そして、この村には、アルザス地方のシンボルであるコウノトリの飼育園(Centre de Reintroduction)があります。
年々減少していたコウノトリに歯止めをかけたのがこの飼育園です。
しかし、35年前は成功すると思った人はいなかったそうです。
石の上にも三年と言いますが、こちらは35年ですね。
よちよち歩きのヒナはふ化してまだ3日目。大空を飛べるようになるまでにはまだ数ヶ月かかるそうです。
この飼育園ではコウノトリの他にカワウソも飼育されています。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、祖父が私に、赤ちゃんはコウノトリが家の玄関に運んで来てくれるんだよ言った。私は来年20歳になるんですけどねえ……」
VDM (Vie de merde)より
昔授業でアルザスロレーヌ地方はドイツと石炭資源の奪い合いで
紛争になった場所だったと習った記憶があります。
by 青竹 (2012-09-03 18:00)
青竹さん
この地域はそういう問題もあって、フランスの領土になったりドイツの領土になったりと翻弄されたのですよね。今はフランスの領土ですが、ドイツの影響が色濃く残ってます。
by carotte (2012-09-03 23:54)
どの建物も手入れがよく行き届いていてキレイですね~。前から感じていたのですが、日本の田舎はものすごく高齢化しているのに、フランスの田舎町にはそれなりに若い人が住んでいるんですよね。コウノトリの飼育園が35年というのを聞くにつけ、早急に成果を求める日米との時間軸との違いを感じます。
by opas10 (2012-09-09 12:49)
opas10さん
完璧な仕上がりの家々です。
こういう田舎に住んでいるのが高齢者だけじゃないのは、一つにはワインの生産があるからかもしれません。特にここはアルザスワインの産地です。フランスにも過疎地の問題はありますが、農業がさかんだとまたちょっと違った様相になりますね。
by carotte (2012-09-10 09:30)