フランスの最も美しい村 その3 [プロヴァンス地方]
今週は “フランスで最も美しい村” の中から5つを順に紹介していますが、この称号、一度獲得してしまえば永遠にというわけではなく、規約に合致しなければ失ってしまうようです。
さて、シリーズの三回目は、南仏のニースから少し山側にはいったところにある村コアラーズ(Coaraze)。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年8月29日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
村は小高い岩山の上にあります。人口は700人あまり。
コアラーズと聞いて、“コアラが3匹の図” を思い浮かべた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、村の名前はコアラではなく、Coda rasa(コダ・ラザ)(ラテン語で「切れた尻尾」の意味)から来たと言われています。
昔、村の麓を二つの川が流れ、それがしっぽの切れたトカゲの形をしていたのだとか。
今ではこのトカゲが村のマークになっています。
ある資料によれば、村は1100年頃にはすでに存在していたそうですが、大々的に整備が行われたのが17〜18世紀のこと。
そして、長い歴史のある村であるにも関わらず、飲料水が引かれたのは1875年とだいぶ後になってからのことでした。
映像に登場したのが当時の飲料水の貯水場。これがなかった頃は、湧き水のあるところまで行って汲んでいたそうです。
かつてニースとコアラーズを結んでいた細くて険しい道の途中にあるのがサン=セバスチャン礼拝堂(Chapelle Saint-Sébastien)。
中に入ると、素朴な外観からは想像もできないような美しいフレスコ画が壁一面に描かれています。
16世紀中頃、黒死病から村を守るために村人たちが建立した礼拝堂です。
そのおかげか、村は黒死病から免れたそうです。
コアラーズは、村全体が太陽に照らされることでも知られています。
その利点を生かして、12個の日時計が設置されています。
ここにやってきた画家たちが制作した日時計です。この中にはあのジャン・コクトーのものもあります。
1950年代の終わり、画家や詩人の友人がいた若き村長さんの発案でした。
突然現れた白髪白髭のおじいさんは、この村の名物男ロジェさん。
「ここは隠れた村じゃよ」
ひょっとしてユダヤ系の方?
ロジェさんのおっしゃるとおり、コアラーズは山間にひっそりと隠れていました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、友人たちが誕生日プレゼントに犬をくれた。『この犬を見たらすぐに君のことが思い浮かんだんだ』と友人。その犬はと言えば、小さくて太ってて、足が短く豚のしっぽのようなのが付いている。おまけに何にでもきゃんきゃんと吠えるのだった」
VDM (Vie de merde)より
ここニースのそばですよね。観光化されていない日時計の村ということで、いちどいってみたいとおもっていました。画像拝見するとほんとひなびた山の上にひっそりとある感じですね。日時計は結構斬新な絵、デザインのものが多くておしゃれなかんじでした。コクトーは、ビルフランシュといいマントンといいここといいあちこちで名前を聞きますね。
by yuzuhane (2012-09-06 17:31)
yuzuhaneさん
ニースから20キロくらい陸側に行ったところにあるようです。鄙びた小さな村に、どういうわけか似合っているおしゃれな日時計の数々。面白そうです。コクトーはコート・ダジュールが好きだったんでしょうね。なにかっていうと名前が登場します。
by carotte (2012-09-07 00:33)
なんかちょっといわく因縁がありそうな「隠れた山里」ですね。礼拝堂のフレスコ画もクオリティ高いですし、普通の鄙びた山村に見せかけて、実は裏ミッションを持った豊かな村?なんていう想像をかきたててくれます。ロジェさん、あのかぎ鼻はユダヤ系っぽいですし、もしや迫害を逃れるユダヤ系の村だったりしたんでしょうか。
by opas10 (2012-09-09 13:09)
opas10さん
最後に登場したロジェさんの印象は強烈でしたね。なぜが大きな旅行カバンを抱えてたり、犬に引っぱられたせいか、あのお年で階段を2段跳びみたいにして上がって行きました。^^
隠れた山里で、村人の団結力が強い感じします。やっぱり何かあるんでしょうか?
by carotte (2012-09-10 09:46)