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フランスの最も美しい村 その5 [アキテーヌ地方]

 気温はまだ30℃を超える時間帯もありますが、やっと夏の暑さも峠を越えたようですね。


 昼間、玄関近くで聞こえていた「チチチチチ……」という虫の音が、いつの間にやら居間から聞こえてます。


 音はすれども姿は見えずで、このまま幾晩お付き合いすればいいのやら……。


 わが家の居間で鳴いても良き伴侶はみつかりそうもないのですけどねえ〜。


 さて、シリーズの最後は、アキテーヌ地方の村サン=タマン=ドゥ=コリ(Saint-Amand-de-Coly)。

Paris_StAmand.jpg


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年8月31日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 青空の下、お花畑と麦畑に囲まれた小さな村の人口は400人足らず。


 紀元6世紀、キリスト教を広めるためにアマン=ドゥ=コリ(Amand de Coly)という名の僧侶がこの地にやって来たことでこの村が誕生します。


 僧侶は死後に聖者に列せられサン=タマン=ドゥ=コリ(聖アマン=ドゥ=コリ)となり、それがそのまま村の名前になりました。


 ここで銅鍋を作っているのがアランさん。


 「この村の歴史が気に入っています。静かで、穏やかで、平和な村は、私のような職業には向いてるんですよ」


 作業場の古いガラス窓を開けると、この地方独特の屋根が並んでいました。


 この地域の建物の屋根にはローズ(lauze)という堆積岩の一種が使われています。


 村には、12世紀に建てられた修道院の建物が残っています。


 革命後に廃墟になっていましたが、19世紀末から20世紀にかけて再建されました。


 その威厳ある姿に圧倒されます。


 石の要塞に囲まれた修道院の教会入り口にある鐘楼の高さは30メートルもあるそうです。


 内部はロマネスクとゴシックが混在。映像を見ていると実際に行って、細かいところをもっと見てみたい気分になります。


 さて、ペリゴール地方はクルミ栽培の中心地でもあります。


 シルヴァンさんも生産者の一人。このクルミを使った菓子作りや、クルミ油を生産しています。


 目下、このクルミ油のAOCを取得するべく奮闘中だそうです。


 シルヴァンさんは教職の道よりクルミ油を生産するためにここにとどまりました。


 「田舎の小さな村ですが、観光だけでは十分ではありません。本当の意味での社会生活となると、学校だって必要なんですから」


 古いものを残しつつ、観光、製造、教育、医療等々が揃えば、田舎の小さな村でも一つの社会としてりっぱに成り立つということなのですね。


 長い歴史のある村は、水も豊かなようです。力強い湧き水が村を潤していました。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


 

「今日、3歳になる娘を初めて教会に連れて行った。娘は教会に入るなり、十字架のキリスト像を指差して大声で言った。『ママ、どうしてターザンがあそこにいるの?』」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

wattana

carotte さん、おはようございます。
食による地域おこし (‘‘村おこし’’ と言いたいところですが、平成の大合併で、村が激減してしまいました)は日本でも各地で進められています。サン=タマン=ドゥ=コリ村がクルミ油でAOC の取得を目指しているそうですが、日本では地域団体商標 (地域ブランド)の登録を目指している地域があります。また、「B-1グランプリ」に出展するために、B級グルメでまちおこしをしているボランティア団体の集まりである 「愛B リーグ」に入会する地域もあるそうです。食による地域おこしを達成するためにはいろいろなことが必要ですが、熱意をもって推進する ‘‘人’’ が不可欠だと思います。
by wattana (2012-09-08 06:16) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
フランスの村おこしも大変そうですが、日本の村おこしも簡単ではなさそうですね。B級グルメのまちおこしは、最終的な「まち」のかたちがよくわかりませんが、シルヴァンさんは「観光だけじゃダメだ」と言っていましたから、どんな村にしたいかのイメージがたぶんはっきりしてるんじゃないかと思います。ただ人口400人では実現できるものは限られてくるような.....。きっと村の人たちの間ではいろいろアイデアがあるのかもしれません。
by carotte (2012-09-08 11:10) 

アヨアン・イゴカー

>。『ママ、どうしてターザンがあそこにいるの?』」
愉快!
by アヨアン・イゴカー (2012-09-09 09:14) 

opas10

あの修道院、ディテールがものすっごく気になりますね。12世紀ということは、ゴシック様式はまだ発展途上なのですが、天井構造なんて完全に交差リブヴォールトでした。現場に行って詳細をひとつひとつ確認したくなります!!
by opas10 (2012-09-09 13:33) 

carotte

アヨアン・イゴカーさん
だいぶしぼんじゃってるターザンです ^^
by carotte (2012-09-10 09:13) 

carotte

opas10さん
はい、あの修道院は気になります!
内部は、ああ普通の建物だなあと思うのですが、よく見ると「なんじゃこりゃ」って感じです。時代を経る毎に手を入れられるとこんな風になるんでしょうか?興味が尽きません。
by carotte (2012-09-10 09:18) 

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