フランスで活躍する日本人 [イル=ドゥ=フランス地方]
パリの星付きレストランが欲しがる一個60ユーロのメロン。
作っているのは日本人。とは言っても、栽培地は日本ではありません。
ヴェルサイユから25キロほどのところにある村シャペ（Chapet）。作っているものもメロンだけではありません。
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山下さんは24年前にシャペにやってきました。
初めは盆栽を販売していましたが、日本料理店からの依頼に応えて日本の野菜を作り始めます。
トウガラシ、ミニトマト、きゅうり、トウモロコシなど、ありふれた野菜ですが、問題はその洗練されたお味。
「フランスのトウモロコシとはちょっと違います。このまま生で食べられますよ。ジューシーですし糖分も高く、皮が薄いですからねえ」
アーモンドの味がするインゲン、みずみずしく甘みがあってまるで果物のようなカブ。
これをパリの星付きレストランが見逃すわけはありません。一個60ユーロもするメロンも同様です。
普通に栽培していてはこれだけの味を保つことはできません。
「毎朝、欠かさず、それぞれの野菜の生育を一つずつ確かめます」
3500㎡ほどしかない菜園で作られる野菜や果物は、トゥール・ダルジャン（Tour d'Argent）、サンク（Cinq)（ホテルジョルジュⅤのレストラン）など、パリの６つの高級レストランに出荷されます。
この日、山下さんが納品したのは16区にある三つ星レストランAstrance。
「新鮮さと味がいいですね。野菜は重要な食材ですから、良いものを手に入れたいんですよ」とシェフのパスカル・バルボ（Pascal Barbot）さん。
こうして出来たのが、今朝収穫したばかりのブロッコリーの葉とトウモロコシにカカオの実をおろしてかけたという一皿。
300ユーロ（約30,000円）の定食の一品として出されるそうです。
さすがに三つ星レストラン。定食も一桁違いますねえ。
山下さんの野菜についてこう言っているシェフもいるそうです。
「白トリュフなら誰でも手に入れられるけど、山下さんの野菜は６つのレストランだけですよ」
＊＊＊＊＊＊＊＊ フランス人のつぶやき ＊＊＊＊＊＊＊
「今日、そして頻繁に、私は野菜のグラタンを作ります。その度に、野菜嫌いの息子がこう言います。『ママには愛がない』」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、フランスでは、盆栽、錦鯉の人気があると聞いたことがあります （ブルターニュに住む知人が盆栽、錦鯉をビジネスとして始めようと検討していました）。３００ユーロのコース、ユーロが最強の頃だったら約４５,０００円だったんですね。
by wattana (2012-09-20 08:14)
wattanaさん
この方、盆栽から野菜の栽培へと変わった時に、どんどん野菜の世界に深く入り込んで行ったんでしょうね。一流レストランといってもこのお値段では宝くじにでも当たらないと行かないかもしれません。でも、これだけ手のかかった食材を作っているとなるとこの値段も致し方ないのかもしれません。
by carotte (2012-09-20 09:30)
新しい農業人の可能性を感じました。
丁寧に育てた野菜はとても美味しいです。自給自足の余剰分を販売することで少し生活に潤いが持てるような生き方も考えられるなぁ…！？ん何を考えているのでしょうねぇ…「田舎暮らし」の雑誌ばかり読んでいる人が傍らにいます。（そう簡単ではないことは分かっているのかなぁ、なぜか惹かれるようです）
by orange (2012-09-20 11:42)
orangeさん
一つの作品を作り上げるくらいの情熱ですね。あれこれ真新しい野菜を育てるのではなく、どれも一般的な野菜。とにかく大事なのは味だそうです。orange家はお二人とも植物とのつながりが強いのですね。^^ 田舎暮らしとなると自然との付きがいがより身近になり、その分厳しさもありそうですが、健康的な生活になりそうな気がします。
by carotte (2012-09-21 09:44)
素材の目利きには世界一厳しいパリの料理界で重宝されるのですからスゴイ！それにしても盆栽の販売やっていた人が、どうやって世界最高峰のレストランへの販路を得たのでしょうね～。それだけでドラマが一本できそうです。
by opas10 (2012-09-23 11:43)
opas10さん
やはり才能じゃないですかねえ〜。それと、植物を育てることに対する強い興味。山下さんはすでに何年も前からたびたびフランスのメディアに取り上げられてきたみたいです。その道の方々にはよく知られた方のようです。
by carotte (2012-09-24 09:13)