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酪農家に罰金 [地方の小さなできごと]

 10月になってもなかなか夏が姿を消してくれない東京ですが、昨日、10月5日は、イギリスでは2つの大きな記念日でした。


 一つは、映画のスパイ007が誕生して50年目を迎えたこと。


 もう一つは、ビートルズの曲が初めてレコード発売されてから、こちらも同じく50年になったことです。曲は ”Love me do”。


 あれからもう半世紀がたってしまったのですね。


 春先には、元メンバーの2世たちが集まって、ビートルズ・ネクスト・ジェネレーションを結成するという噂も流れましたが、あれはどうなったのでしょう?



 さて、本日の話題は、フランスの小さな村のちょっとした出来事です。


 フランス南西部の小さな村サン=ヴァンサン=ドゥ=ラモンジョワ。


 酪農家が隣人に訴えられ、罰金8,500ユーロ(約85万円)を支払うようにとの判決が下ってしまいました。


 隣人は牛の糞の匂いやハエに耐えられなかったとか。


 現場はいったいどんな風になっているのでしょう?

Paris_StVdeM.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年10月4日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 確かに、牧場と隣の家が近い!


 回りは特に何もない林か森に見えるのですが、牧場と隣家がくっ付いています。


 牛が水を飲みに来る度に、一緒にくっ付いて来るハエと糞の匂いに耐えられなかったとか。


 しかし、酪農家の方は納得が行きません。


 「牛の飼育には何かと費用がかさみます。8,500ユーロの罰金は厳しいですね」


 訴訟の決め手になったのは2007年に定められた村の条例。


 これによると、家と牛の距離は100メートル以上離れていなくてはなりません。


 隣人は、これが守られていないと訴えを起こしたわけです。


 「昔は、牧場の近くに家を新築していたのは、牧場主の子供とか親戚だったから理解がありました。しかし今は、何も知らない人たちが家を建て住むようになってしまったんです」と農業組合の代表の方。


 新しい村長さんは、農家が罰せられるようなことがないように、この条例を変えると約束しているそうです。


 村を支えているのはどうも農業のようです。その農家が罰せられるとなるとちょっと都合が悪いですね。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、私は妊娠しています。夫が、小さい頃に牛のお産を手伝ったことがあるから、いつ子供が生まれても大丈夫だと言う。私はそれを聞いたとたん、ほっとして、なんだか夫が頼もしく見えてきた」


 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 12

yuzuhane

これはちょっと酪農家の方に厳しいような気もしますね。以前もモンサンミシェルで景観を壊すからと罰金を言い渡されたような話を伺いましたが、結構隣人トラブルで高額支払い命令が出るもんなんだなと・・・日本はどうなんでしょうと思ってしまいました。・・・主人はキチガイがつくくらいの007ファンで、さっそくその記念グッズ、もう持ってるくせにdvdセットとか、限定のシャンパンを買ったと言っていました。
by yuzuhane (2012-10-06 23:33) 

carotte

yuzuhaneさん
あらあ〜、それはちょっと大変。いろんながグッズが出てますからねえ。もともとガジェットも評判だった映画ですし.......。シャンパンも出てるんですね。当然、すぐには飲まれませんよね。^^
この隣人トラブル、判決が出たばかりなのか、農業国だからなのか、冒頭のニュースになってました。今、酪農家は飼料の値上がりやらなにやらで苦境に立ってますからこの罰金はかなりの痛手なんじゃないかと思います。
by carotte (2012-10-07 09:40) 

アヨアン・イゴカー

酪農家の近くに家を建てた側に問題があると思います。牛がいれば糞も出ますし、蝿もいますが、それは至って自然なことです。嫌ならば来なければよいと思います。私は田舎育ちの為、人間中心の考えをする人に腹が立つことが結構あります。
by アヨアン・イゴカー (2012-10-07 12:17) 

opas10

こりゃあ後から家を建てた方が明らかに分が悪いはずなのに、酪農家の方に罰金を科すというですから、そりゃあ納得いかないでしょうね。欧州屈指の農業国フランスとしても、これを認めちゃあいけないでしょう!!
by opas10 (2012-10-07 13:45) 

cycloo

あれからもう50年経ったのですね、ということは、carotteさんは、当時の記憶があるというお年でしょうか?まだ生まれていないお年だと思っていましたが・・・まあ、at heart の問題なので、どうでもいいことですが・・・失礼しました。

by cycloo (2012-10-07 17:53) 

carotte

アヨアン・イゴカーさん
後からやって来て匂いがどうのこうのってちょっとひどいですね。郷に入れば郷に従えというのがフランス的な考え方だと思うのですが、今回は条例が出来てたからどうにもできなかったんでしょう。過去にいろいろあってできた条例なんでしょうけど、酪農家にはちょっと気の毒ですよね。できるだけ早くに条例がなんとかなると良いですね。
by carotte (2012-10-08 01:01) 

carotte

opas10さん
条例がねえ〜ありますから。こうなっちゃんたんですよね。なんでこんな条例作っちゃったんでしょ。家を建てて住む人を増やしたかったとかなんかあったんでしょうか。農業国としては無視できない判決ですよね。このままだと、家を建てられたら100メートル分は使えなくなってしまいます。
by carotte (2012-10-08 01:07) 

carotte

cyclooさん
うっすら(?)と記憶がございます ^^;;
お年寄りからは「まだ若い」と言われ、若者からは「おばさん」と言われております。いつ頃からか年のことはあまり気にしないようになりまして......^0^
by carotte (2012-10-08 01:13) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
牛豚鶏の生産農場(牧場、肥育舎など)から出る汚水、悪臭は日本でも問題になっています。牧場の隣に家を新築した人は、牧場をあることをわかっていたのだから、悪臭は我慢すべきだとは個人的には思いますが、住む土地が広くない日本では事はそう簡単ではないようです。牛豚鶏の生産農場、と畜場は、食肉の供給にとってなくてはならない施設ですが、自分の周りのことだと嫌われる傾向が強いようです。後からできた住宅に配慮して、移転した生産農場、畜場は少なくないと思います。なお、牛豚鶏の中で鶏(鶏糞)の臭いはかなりきついと思います。
by wattana (2012-10-09 10:20) 

carotte

wattanaさん
こういう問題はどこの国にもありますね。昔、東京23区で最後の牧場というのが世田谷区の経堂にあり、知り合いがその近くにあるマンションに住んでしましたが、やはり匂いがすると言っていました。でも、わりにそれを楽しんでいたふしがあります。人ぞれぞれですね。それになかなか難しい問題でもあります。
by carotte (2012-10-10 10:56) 

kazenotomo

私に近くでも、養豚場問題がありました。
悪臭が問題なんですが、もともとは家がなかったのに
高度成長期にびっしりと家が立ち並び、非難ごうごう!
確かに臭いにはたまりませんが、養豚場の方に言わせれば
勝手に家を建てて、元からいるものに文句を言うのは困るという。
なんだか、アメリカで白人がインディアンを追い出したような状況と
理屈が似てます。
が、やはり、すんでる人には耐えられない臭いであることも確かです。
結局、養豚場の人たちが移転していきましたが・・・・・

by kazenotomo (2012-10-10 12:27) 

carotte

kazenotomoさん
後から住み着いた人間が強い立場になってしまう理由の中には、白人とインデアンの関係と同じで、ハエや糞尿の匂いは非文明で、匂いもハエもないのが文明という認識になっていることもありそうですね。空き地だったところがいつのまにか住宅地になっていて土地の用途が昔とすっかり違ってしまう。それで引っ越さざるを得なくなってしまうのですね。この問題、いろいろ考えさせられます。
by carotte (2012-10-11 00:47) 

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