ベアルン地方のんびり旅 その5 [アキテーヌ地方]
シリーズの最後は、前回のサリス=ドゥ=ベアルンから東へ15キロほど行ったところにあるオルテズ(Othez)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年2月1日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
バスク地方の織物は有名ですが、そのほとんどがこのベアルン地方で作られています。
因にベアルン地方とバスク地方は地域が重なっています。
オルテズには織物工房が3軒ありますが、その一つが、まもなく創業から100年を迎えると言う歴史ある工房Moutetです。
映像に登場したのはバスク地方を代表する7つの縞模様の入った布。7本の縞はバスク地方の7つの地域を表しているそうです。
昔のベアルン地方でこれとはちょっと異なる縞模様の布が作られていました。
代々同じ家族が経営してきたこの工房は、現在のオーナーであるカトリーヌさんで4代目。
「自動織機、電子機器など導入していますが、必ず人の手でしなくてはならないことがあります。どうしても機械ではできないことがあるんです」とカトリーヌさん。
一方、ルネさんは38年間この工房で働いてきました。昔からの織り方を知っているのは彼女だけ。
一度退職しましたが、その技術を若い人に伝えるために教育係としてまた工房に戻ってきました。
「こういう仕事を教えてくれる学校なんてありませんからね。実地で学ぶことになります。そうなると、やっぱり本人のやる気が重要になってきます」とルネさん。
オルテズのあるレストランでは、この工房で作られたテーブルクロスやランチョンマットが使われています。
「食事の時に使う布や母の日のプレゼントなど、この町じゃあたいていMoutetのものですよ」とレストランのオーナー。
お客さま方も満足げ。
丈夫で長持ちするのがここの織物の特徴なら、その柄も流行に左右されることはありません。
年代物の大きなノートのようなものが出てきましたが、Moutetがこれまで製造してきた布のサンプルがすべてここに集められています。
昔のモチーフをもう一度復活させて成功を納めたものもあるとか。
カトリーヌさんが見せてくれた布は40〜50年代のモチーフを使って作られたもの。
確かに流行とは無縁の感じがします。
「これらの布は博物館に展示するとか、ショーウィンドウに飾っておくと言ったものではありません。毎日使ってこその、生きた布なのです」とカトリーヌさん。
見ているうちに数枚欲しくなってきました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、彼がバラの花をプレゼントしてくれた。10分以上も匂いをかいではうっとりしていたのだが、最後になってようやく気がついた。バラは布製の造花だった」
VDM (Vie de merde)より
バラの花、よっぽど巧妙に作られていたのでしょうね。
大学時代の友人が、フランス人の男性に真っ赤なバラの花束をプレゼントされたことを思い出しました。
あのプロポーズ、断ってなかったら...彼女は今頃...
by orange (2013-02-11 09:23)
あのサンプル帳はすごいですね~まさに歴史の重みを感じます。いくらデジタル化が進んでも現物見本には敵わないですから。
by opas10 (2013-02-11 17:11)
orangeさん
最近の造花は良く出来ていて本物と見分けがつかないことが多々あります。フランス人の男性からバラの花束なんて実際にそんなことがあるのですね。バラの花束もその方にはあまり効果がなかったようで・・・・。
by carotte (2013-02-14 00:20)
opas10さん
サンプル帳、すごかったです。かなりの厚みがありました。あれは虫除けと一緒に金庫かなんかにしまっておかないといけないくらい貴重なものですよね。
by carotte (2013-02-14 00:22)