ブルターニュの港巡り その3 [ブルターニュ地方]
ブルターニュの小さな港シリーズの三回目は、前回のオディエルヌから少し北へ行ったところにあるカマレ=シュル=メール(Camaret-sur-Mer)を訪ねます(下記地図の緑印)。
強風の吹き荒れるブルタニュの海。
その中を航行する船の寄港地がカマレ=シュル=メールです。
半島をかじったような形の港は穏やかで、たくさんのヨットが停泊しています。
この日は曇り空のあいにくの天気ですが、小学生たちが帆船ベル・エトワール(美しい星)に乗って実地研修をしていました。
「昔は、漁業で栄えた港でした。イワシ漁やエビ漁が盛んだったんです。漁師たちは遠くモロッコやモーリタニアまで漁に出かけていました」と男性。
当時の面影を残すのがノートル=ダム=ドゥ=ロカマドゥール礼拝堂。
中に入ると船の模型やブイなど船にまつわる品々が飾られています。これらはどれも教会に祀られているマリア様に捧げられたもの。
「苦しい時にここにお祈りに来た人やかろうじて難破から免れた漁師やその家族が、助かったお礼にお供えしたのです」と礼拝堂の管理人。
毎年数千人の人がここを訪れるそうです。
「シンプルな作りの礼拝堂がいいですね。それに、船やブイが飾られているのも見応えがあります」と女性。
礼拝堂の隣には、あの要塞の設計で知られる17世紀の建築家ヴォーバンの作った塔ラ・トゥール・ヴォーバンがあります。
こちらはユネスコの世界遺産に登録されています。
この港には他にもユネスコの世界遺産に登録されているものがいくつかあるようです。
港には陸に打ち上げられた船がたくさんのこされています。漁で栄えた昔の頃が偲ばれます。
こうして使われなくなった船は、時間の経過とともに港のオブジェのような存在になっているとか。
今ではヨットやプレジャーボートが湾を占領していますが、まだ12隻ほどの船が漁を続けているそうです。
そして、子供たちの乗った帆船が港に戻ってきました。
船酔いしなかったと自慢する子や、アザラシを見て楽しんだ子もいました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、夫と私は港で他のヨット乗りとおしゃべりをしていた。その内の一人が私たちのボートの重さを聞いてきたので夫が答えた。『16トン』で、最後にこう付け足した。『ウチのかみさんは加えないでね』」
VDM (Vie de merde)より
簡素な教会内部に船やオールなどが飾られて海辺の教会ならではの見所がありますね。海辺にある錆びついた船たちがが何とも言えない存在感を放っていました。シュメールという地名は南仏にもいくつかこれがついたところがありますが、海辺に多いんでしょうね。
by yuzuhane (2013-06-07 13:46)
教会の外観は、質素ながらも力強くてとても印象的です。そして陸に打ち上げられた船は、ともするとうらぶれた印象を与えるのに、ここではなぜか産業遺産みたいに見えますね。
by opas10 (2013-06-09 22:56)
yuzuhaneさん
ここの教会は独特の雰囲気があるようで、わりに人気みたいですね。古い船との組み合わせも良い感じです。シュルメールは、「海に面した」というような意味合いです。川沿いの町や村の名前もシュルがついたのが多いですね。シュルの後に川の名前が付いてきます。
by carotte (2013-06-10 13:21)
opas10さん
ブルターニュの風雨に馴染んだ力強い教会ですね。陸の船はどれも大型で、かつては漁業でかなり繁栄していたというのがよくわかります。
by carotte (2013-06-10 13:24)