コート・ブルー その5 [プロヴァンス地方]
シリーズの最後は、コート・ブルーの西にある港カロ(Carro)を訪ねます。(下記地図の紫印)
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年7月5日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
朝日が昇り始めた頃、漁へと出発する一隻の船。
仕掛けておいた網を引き上げます。近海でもなかなかの大物が釣れるようです。
カロの港はこれまで見て来た港とはちょっと様子が違っています。どことなく生活のにおいが感じられます。
ここは漁港。港に並ぶ船の多くが漁船です。
その日の朝、水揚げされた魚は港の屋台で売られます。
「ここは作りものではなく本物の漁港です」と男性。
漁師さんの作業場をのぞいてみると、漁に使う網のお手入れの真っ最中でした。
その漁師仲間の一人が案内してくれたのが昔の石切り場です。
ピンク色の石灰岩のごつごつした岩肌が見えています。
人工的に切り出された岩が海風にさらされ風化し、港の風景に溶け込んでいます。
のんびりとした港と打って変わって、カロの沖合の海は難所として知られています。
この近海を航行する船は、東からの風にのってやって来る嵐に遭遇することが多かったためです。
そのため、1868年にはカロに救助隊がもうけられました。
そして1901年1月、マルセイユとオランを結ぶロシアの船舶が、乗客46名、乗組員52名を乗せたまま難破してしまいます。
嵐は勢いを増し、救助隊が出動するまで4日待たなくてはなりませんでした。
「村人たちはたいそう心配して、皆が助かるようにと祈ったそうです」と涙ながらに語る男性。
その甲斐あってか、カロの救助隊は乗員乗客全員を無事救出することができたそうです。
さて、カロではフランスのテレビ局TF1の番組Camping paradis(どうもコメディドラマのようです)の撮影が行われているそうです。
常に風の吹くカロの上空には雲一つなく、一年中晴上がっているという人もいるほど。ロケには最適というわけです。
またこの風が役に立つスポーツ、ウィンドサーフィンのスポットとしても知られているそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、車から降りてお店に向かおうとしたら、風に帽子をさらわれてしまった。隣に駐車していた車のミラーで髪をなおしていると、中にいた女の子がウィンドウを開けると言った。『そんなことしてもムダ』」
VDM (Vie de merde)より
確かにこれまでにない生活感のある港ですね。バカンスだけでなく、こうした堅実な生活が営まれているのをみるとなんだか心安らぎます。
by opas10 (2013-07-17 23:23)
opas10さん
みんなリゾートでなりたっている港ばかりと思っていましたが、ここは漁港らしいです。こういう生活のある港がきちっと残っているとほっとしますね。
by carotte (2013-07-18 12:40)