天空の演奏会 [ラングドック=ルシヨン地方]
フランス南部、スペインと国境を接するピレネー=オリアンタル県のプラード(Prades)では、現在パブロ・カザルス室内楽祭が開催されています。
8月13日まで域内のあちこちでコンサートが開かれますが、サン=マルタン・デュ・カニグー修道院も会場の一つ。
修道院でのコンサートなんて素敵!と思いきや、この修道院、大変なところにあるのでして・・・。
ピレネー山脈のカニグー山(Mont Canigou)。
この山の近くの切り立った岩山の上に建っているのが、サン=マルタン・デュ・カニグー修道院。
急な坂を上りきるのに45分かかります。
「ちょうどバカンスで、ここからそう遠くないところいるんです。音楽が好きなものですからねえ」
大変なところにも関わらず、皆さん黙々と上って行かれます。
「雄大な自然に囲まれたところですね」と女性。
別の女性はプログラムを団扇代わりにしている人もいます。これだけ歩けば汗も出ます。
そして、45分も歩けば息が切れます。
しかし、天空の修道院で音楽が聞けるというのですから、がんばり甲斐があります。
修道院ではすでにリハーサルが行われていました。
こんなところで歌えたらさぞかし気持ちがいいでしょう。
「どこで歌うのかここへ来るまでは知りませんでした。今は来て良かったなと思ってます」とソプラノ歌手。
どうも日本人の方のようです。
それにしても、演奏者の方々は楽器を持ってあの坂を上ったのでしょうか?
修道院は11〜12世紀にかけて建てられました。歴史的建造物として文化財の指定を受けています。
演奏が行われたのは修道院の教会。曲目は、イタリアの作曲家でありチェロ奏者でもあったボッケリーニのスターバト・マーテル。
「良い演奏会でしたよ」と観客の男性。
ちょっと大変そうですが、こういうところで楽しむ演奏会はなかなか感動的ですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、3ヶ月も前から待ちに待ったコンサートでのこと。唯一アーティスが見えたのは、私の前にいたおじさんが撮影していた携帯の画面を通じてだけだった」
VDM (Vie de merde)より
確かに。
かなりの登り坂で、ちょっとしたハイキングですね。
天空の修道院でのコンサートを聞いてまた下山。
帰りは余韻に満たされて...なのでしょうね。
演奏家の方もたいへんですね。
by orange (2013-08-11 12:30)
すばらしいロケーションと環境の中で演奏会が楽しめるとはなんという贅沢!45分の坂道の苦労も忘れるでしょうね。演奏者の楽器、どうやって運んでいるのか、まさに地下鉄はどこから入れるんでしょうね、と同じで夜眠れなくなっちゃいそう(笑)。
by opas10 (2013-08-12 12:13)
orangeさん
この修道院自体が観光地の一つになっているみたいです。
教会は音響がいいので、演奏会にはもってこいの場所ですね。
音楽と自然の風景を味わえるとなると急坂も頑張って登れるのかもしれません。
by carotte (2013-08-13 13:22)
opas10さん
最近、日本でもお寺でコンサートをやったりしてますが、こういうのは欧州ならではの演奏会ですね。あの急坂は楽器をもって上がってくるのはかなり大変ですよ。特にチェロなどの大型の楽器は・・・。
by carotte (2013-08-13 13:26)