教会を救うべきか・・・ [地方の小さなできごと]
ブルターニュ地方の小さな村プルアガット(Plouagat)。
今にも崩れそうになった村の教会を修復するかどうかで村民投票が行われました。
修復には莫大な費用がかかります。小さな村には重い負担。それでも教会を助けるべきか・・・。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年9月2日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
プルアガットは人口2,600人ほどの小さな村。
村の教会を修復するのに賛成の人はOUI(Yes)を、反対の人はNON(No)を投票します。
投票所でも議論が始まっています。
「村にとって、教会、学校、役場を維持していくことは重要なことです」と女性。
「最初は反対でした。費用のことを考えると修復するべきじゃないと思った。でも、教会のない村はどうかなと考えてみると、それはちょっと残念なことだな思ったのです。だから賛成に投票しました」と男性。
村の教会サン=ジャン教会は1872年に建てられました。
一見してどこにも悪いところはないように見えますが、細部をよく見ると壁にはひび割れがあり、屋根と壁の境目が崩れかけていたりと、あちこちに傷みが来ているのが分かります。
そして、教会の鐘は、次の嵐に持ちこたえられるかどうか分かりません。
そのため、もう1年半も前から危険だとして立ち入りが禁止されています。
「村民の意思を確認することが重要です。修復するとなると当然ながらその費用が税金の額に影響してきますから」と村長さん。
取り壊しに賛成の人たちはあまり声高にその意思を表明することはありませんが、高齢者の人たちは教会への愛着が強く、はっきりと賛成だと明言します。
「あの教会で洗礼を受けましたし、結婚式も挙げました。ですから、修復することに賛成ですよ」と女性。
投票の結果はと言えば、82%の村民が修復に賛成票を投じました。よって、教会は存続することになったようです。
それにしても修復にはいかほどの費用がかかるのでしょう?
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、結婚しました。教会を出ると、皆がお米を投げて祝ってくれたまではよかったのですが、お腹を空かせた鳥の大群がその米めがけて飛んで来たのです。怖かったあ〜」
VDM (Vie de merde)より
人口2600人の小さな村に立派な教会があるんですね。税金はかかって大変でしょうが、よそ者が見てもこれは存続したほうがいいように感じました。花畑越しの教会の様子がとてもも素敵です。
by yuzuhane (2013-09-03 15:59)
yuzuhaneさん
フランスの村を訪ねると必ずあるのが教会ですよね。教会を中心にして集落が広がっている感じです。その教会がなくなるとなると、やはりちょっと問題ですね。82%の人が賛成ということですから圧倒的多数で存続がきまって良かったです。
by carotte (2013-09-04 19:22)
村長さんは、お金の問題もあるでしょうけど、村の人にもっとじぶんたちの町のあり方を考えてもらう機会にしたかったのかもしれませんね。小さな村だと、重要な問題は、誰かがやってくれる、考えてくれるような間接民主主義じゃなくて、自分のこととして考えて行動する直接民主主義の方がうまくいきそうですし。
by opas10 (2013-09-08 22:35)
opas10さん
そうなんですよ、小さな村だから行政に参加している実感があります。日本の自治体でここまで小さいのはそうそうないんじゃないでしょうか?たとえば世田谷区は自治体としては一番小さい行政区ですが、人口は90万人近くいます。「誰かがやってくれる」みたいになっちゃってますねえ~。
by carotte (2013-09-09 13:25)