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ワイン作りの村 その3 [フランスのワイン]

 シリーズの三回目は、南仏、ローヌ川ワイン街道の村シャトーヌフ=デュ=パープ(Châteauneuf-du-Pape)(下記地図のD)。


Paris_vin&raisin.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年9月4日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 人口2,000人ほどの村は丘の上にあります。


 真ん中にそびえているのは元お城。14世紀に建てられ、かつてはローマ教皇の夏の別邸でした。今では石壁だけが残っています。


 村の回りに広がるブドウ畑。


 よく見ると小石がごろごろしています。この小石が昼間の太陽の光で熱を蓄え、夜はその余熱でブドウがよく熟すのだそうです。


 ブドウ畑を案内してくれたフレデリックさんとダニエルさん。二人はワイン農家の7代目に当たります。


 今では当たり前になったワインの品質を保証するラベルAOC。


 

   これが最初に生まれたのがこのシャトーヌフ=デュ=パープでした。AOC第一号はこの村で作られたワインだったのです。


 ブドウ畑を見学した後は、地下のワイン蔵を案内してもらいましょう。


 7代続いて来たワイン農家の蔵には古いワインが静かに眠っていました。1929年、1949年、1961年・・・


 「わが家の昔の記録みたいなものですよ。私のおじいさんやひいおじいさんが作ったワインです」


 手に取ったワインのボトルには1929年のラベルが貼ってありました。二つの大戦の間に作られたワインです。


 南仏の村を見学した観光客は、いよいよお楽しみのワインの試飲です。


 シャトーヌフ=デュ=パープのワインは13種類のブドウの品種から作られているそうです。これは飲み比べが楽しくなりますね。


 ここはワイン蔵Le Verger des Papes


 「アメリカ人の観光客が大挙してやってきました。4月、5月は東欧、アジアからは一年を通じてやってきます」と蔵の責任者の方。


 「ここは中世の面影を残す村です」とプロヴァンスなまりで話してくれたのが村長のジャン=ピエールさん。


 村長になってから20年になります。その間、ローマ教皇と会って話をする機会に恵まれました。


 写真に映っているのはヨハネ=パウロ2世。そして、次の教皇ベネディクト16世とも会いました。


 そのうち現在の教皇フランシスコにも会うことになるのでしょうか?


 「感動的な時間でした。ヨハネ=パウロ2世の目を見たときは心が穏やかになりましたよ」と村長。


 最後は村のレストランLa Mère Germaineを訪ねます。


   エリゼ宮の女性料理人だったジェルメヌ・ヴィオンが1922年に始めたこのレストラン。1930年代にはパリの文化人たちがこぞって食べにやってきたそうです。


 現在のオーナーはアンドレ・マジィさん。3年ほど前にこのレストランを手に入れました。


 料理は若きシェフ、エリックさんが担当しています。


 「ここには何かあると感じたんです。それは言葉で表現できるものではありません。とにかくここに残らなければと感じたんです」とアンドレさん。


 アンドレさんを引きつけたシャトーヌフ=デュ=パープ村。その回りに広がるブドウ園では、3週間後には収穫とワインの仕込みが始まります。


 尚、ローヌ川ワイン街道については、以前の記事で5回シリーズで紹介しています。興味のある方は→こちら

 
 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、インターネットでピザを注文した。届け先は地下にある僕の住まい。45分ほどたった頃にピザ屋から電話がかかってきた。『地下には行ったのですがすぐに戻って来てしまいました。とにかく真っ暗でお化けがでるんじゃないかと恐ろしくなったんです』」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 6

cycloo

ここは、今年寄り道をして行ってきました。キャンプ場のバーで、シャトーヌフ・デュ・パープを頼んだら、置いていないとのこと!結局ここで飲んだのは、ただのコト・デュ・ローヌで、シャトーヌフは一滴も飲むことが出来ませんでした。翌朝、村に入って、試飲しようかとも思いましたが、朝酒はどうも・・・
小石ゴロゴロは珍しいので写真を撮ってきました。理由が推測していた通りなので、すっきりしました。
by cycloo (2013-09-10 10:00) 

yuzuhane

AOCの第一号なんですね。小石のあるブドウ畑からはいい材料がとれそうです。プロバンスにはこうした素敵な村がいっぱいありますね。
by yuzuhane (2013-09-11 23:47) 

carotte

cyclooさん
シャトーヌフ・デュ・パープで、シャトーヌフ・デュ・パープを置いていないとはよろしくないですねえ〜。確かに朝から試飲はちょっと厳しいですね。残念でした。
映像で見ただけでも小石がすごいですね。これで大丈夫なのか?と思ってしまいますが、この小石があるからこそ美味しいワインを生み出すブドウが育つようです。
by carotte (2013-09-12 12:21) 

carotte

yuzuhaneさん
AOCはここが発祥の地らしいですよ。ブドウ畑の小石が印象的ですね。ローヌ川ワイン街道のブドウ園はどこも小石が多かったような気がします。
by carotte (2013-09-12 12:25) 

opas10

ブドウは良く耕された土よりも多少痩せていて小石が転がっている方がよいと聞いたことがありますが、小石は蓄熱してブドウの熟成を促す効果のためだったんですね!1929年のワインは一体どんなお味なのやら、そしてお値段もいかほどなのかとても興味があります。
by opas10 (2013-09-15 16:57) 

carotte

opas10さん
小石は小石なりにブドウの栽培に貢献しているのですよね。私も説明を聞いて納得しました。ワイン蔵の奥に眠る埃をかぶったワインは気になりますね〜。1929年というのがまたいいですね。なんとも言えない時代です。どんなお味なんでしょう?
by carotte (2013-09-16 12:24) 

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