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ヴォーバンの要塞 その1 [フランスのお宝]

 17世紀のフランスで活躍した建築家ヴォーバン(Vauban)(1633 - 1707)。要塞の建築で知られています。

 

 新築から改築まで、ヴォーバンの手による要塞は160カ所にも及びます。うち12カ所がユネスコの世界遺産に登録されています。

 

 一口に要塞と言っても、その姿は様々です。お城のようなものから、一つの集落を形成しているもの、さらに塔だけのものもあります。

 

 そのようなヴォーバンの要塞のいくつかを、5回のシリーズで訪ねます。

 

 第一回目の今日は、フランス東部の都市ブザンソンにある城塞です。ヴォーバンの傑作の一つで世界遺産になっています(下記地図の青印)。

Paris_Besan.jpg



より大きな地図で ヴォーバンの要塞 を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年9月9日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 上空から見ると、石の要塞が線で描いたようなフォルムを作りだすブザンソンの城塞。


 フランス王国東部の防衛のために作られました。1693年の完成です。


 今では年間30万人ほどの見学者が訪れるという有数の観光地です。


 この日は、なにやら昔の衣装に身を固めた人たちが17世紀頃の戦いの様子を再現してくれました。


 龍の頭のような形をした大砲は、昔の大砲を復元したものでしょうか?


 17世紀にはすでに短銃もあったのですね。でも、標的をはずしてしまいました。


 「ここでは昔の城塞の暮らしを体験することができます」と城塞の責任者の方。


 「いろんなことが学べますし、何と言っても楽しいですね」と見学者の女性。


 高さ100メートルの丘の上に作られた城塞は15ヘクタールほど。


 階段を上って行く男性は誰かと思えば、なんとヴォーバンさんではありませんか!


 自ら城塞の案内役を買って出てくれました。


 「東部からフランスに入るためにはどうしても渡らなくてはならなかったのが、下を流れるドゥー川でした。そのため、ここが重要だったのです」と偽ヴォーバン。


 そして、ここには昔の衣装を身に着けて記念撮影ができるコーナーがあります。


 12種類の衣装の中から自分の好きなものを選んだら係の人に着せてもらいます。子供用もあります。


 支度ができたところでカメラの前でパチリ。


 観光客の多いブザンソンの城塞には様々な娯楽が用意されているようです。


 一方、2008年に世界遺産に登録されて以来、大規模な修復工事も同時に行われています。


 かかる費用は100万ユーロほど。


 「この城塞を生き返らせ、それを次の世代に引き継いで行く必要があります」と保存の責任者の女性。


 城塞の向かいの丘では、なぜか綱渡りに興じる人たちがいました。綱渡りにちょうどいい場所なのかもしれません。


 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、ガイド付きで古いお城を見学していたら、疲れたので近くの椅子に座り、ガイドの解説を聞いていた。『16世紀の家具は一つをのぞいてもう残っていません。それは、あのお嬢さんが倒れ込んだ椅子です』[がく~(落胆した顔)]

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

yuzuhane

長く続く城壁、建物も見事でしたが、他にも見所がいっぱいでした。17世紀の服装での大砲等のパフォーマンス、銃の筒先が獣のようでしたね。なんとかつらかぶった方がボーヴァンさんだったとは・・・。娘さんとかつての衣装で記念撮影も楽しそうでした。
by yuzuhane (2013-09-19 08:25) 

cycloo

12もの世界遺産があるのじゃ、ヴォ―バンは、当時だけではなく、現代もフランスに随分貢献していますね。工事中ののぞき穴がしゃれています。
ブザンソンはジュリアン・ソレルが入った神学校がある町として、思い出深いところです。

by cycloo (2013-09-19 17:40) 

carotte

yuzuhaneさん
要塞を見る度にその輪郭の美しさに見とれてしまいます。美しさを求めるというより戦略を考慮してこの形になったのですよね。ガイドでヴォーバンを登場させるなんて運営者もいろいろ工夫をしてますね〜。
by carotte (2013-09-19 21:24) 

carotte

cyclooさん
今となっては本来の用途を失ってしまった要塞ですが、フランスはこういうものをうまく観光に利用してますね。ヴォーバンがこれをみたらなんと思うでしょう?
煩悩の塊みたいなジュリアン・ソレルが入ったあの神学校はブザンソンでしたね。
by carotte (2013-09-19 21:36) 

opas10

日本のお城は建物の美ですが、この要塞は配置の美ですね。プロダクトデザインで、必要な機能だけを追求して不要なものを切り捨ててゆくとシンプルな美しさに至りますが、この要塞は戦略的合理性だけを追求したら結局全体が美しい配置になったのでしょうね。
by opas10 (2013-09-21 21:54) 

carotte

opas10さん
おっしゃる通りで、この要塞もムダなものを省くとこの形になるんでしょうね。機能美とはこのことだなとつくづく思います。
by carotte (2013-09-22 10:59) 

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