シャルトル 中編 [サントル・ロワール地方]
シリーズの二回目は、シャルトルを囲む穀倉地帯ボース地方(Beauce)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年10月13日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
まずはモーター付きのハンググライダーで空からの眺めを楽しみましょう。
遠くにシャルトルの大聖堂の姿がはっきりと見えます。その回りには建物が密集し、一つの町を作っています。
広大な穀倉地帯がその外側に広がっています。その面積は50万ヘクタール。
この中で4,000軒もの農家が250万トンもの穀物を生産しているそうです。
「ここの80%が、小麦、大麦、トウモロコシなどの穀物を生産しています」とパイロット。
地上に戻ったところで、ある農家を訪ねてみましょう。
ジャン=ミッシェルさんは父親と一緒に、もう15年も前から、185ヘクタールの畑で穀物を生産しています。
朝7時、やることはだいたいいつも一緒です。
「コーヒーを飲みながら、携帯やパソコンをチェックしています。パソコンで見るのは、天気予報、株式などです」
コーヒーを2杯飲み終わったら、トラクターで畑に出ます。
刈り入れから種まきまでの間、畑の手入れは欠かせません。右手には大聖堂の姿が見えていました。
そして、ジャン=ミッシェルさんの畑のすぐそばには分譲地ができていました。
「都市計画で少しずつ農地が減少していますが、それともうまく共存していかなくてはなりません」とジャン=ミッシェルさん。
商業施設や分譲地の拡大で、この10年で7,000ヘクタールの農地が消えてしまいました。
「こちら側は分譲地で住宅があり、あちらは農地です。子供たちは農作業の様子を見て楽しんでますよ」と分譲住宅にお住まいの女性。
この近くには農業専門高校があり、実習の授業が行われていました。
「鋤や鍬を持って畑を耕す農民の時代は完全におわりました」と先生。
トラクターの運転席にはハイテク機器が並んでいます。
ジャン=ミッシェルさんのハイテク機器はスマホ。穀物の相場が常時分かるようになっています。
ジャン=ミッシェルさんの倉庫に貯蔵されている小麦の量は約300トン。きちんと保存するためには温度の管理が重要です。
「小麦の相場は株式で決まります。できるだけ良い値で売りたいんです」とジャン=ミッシェルさん。
そして別の場所では・・・収穫された大麦を使ってビールが作られていました。つまりここはビール工場。
シャルトルでビールが作られているなんて初耳です。その銘柄はL'Eurélienne。
あのパリで開かれる農業見本市で銀賞を獲得したほどのビールです。
どんなお味なのかちょっと飲んでみたいですね。
さて、次回はいよいよ世界遺産の大聖堂です。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、夜だというのに隣りが宴会で騒いでいるので警官を呼んだ。二人の警官は隣りの家のベルを鳴らし、にこやかに挨拶を交わすと中に入って行った。30分後、二人の警官はそれぞれビール片手に出て来た」
VDM (Vie de merde)より
何処までも畑。穀倉地帯という言葉が似合いますね。
フランスは農業国としての側面もありますからね。
プライドを持った、発言できる農業者がいることは大切です。
ところで地図の表示がこの頃 変ですね。
「1日の使用料を越えた…」との表示が出たり。クリックしない方がよいと思いますが。
by orange (2013-10-16 12:37)
orangeさん
シャルトルの回りはこんな広大な穀倉地帯になっているとは全然知りませんでした。じわじわと住宅や商業施設に浸食されているようですが、まだまだ農家は元気なようですね。
このところ地図がきちんと表示されない時間帯があるので、so-netさんに問い合わせたら、対応してくれているみたいです。因に、クリックしても害はなさそうですよ。クリックすると、なぜ地図が表示されないか詳しく説明しているGoogleのページに飛びます。
by carotte (2013-10-18 00:34)
見渡す限りの穀倉地帯!フランスが農業国である理由が分かる気がします。耕作の規模が大きければ、生産者も市場の動きに敏感になりますね。ここでも宅地化が進んでいるようですが、国家戦略の見地で考えると、農業を保護しておいた方が30年先、50年先には有利だと思うのですが・・・。
by opas10 (2013-10-20 20:57)
opas10さん
こういうのを見ると、農業も産業なんだなとつくづく思います。
フランスの強みは農業国だというところにあるような気がします。他の国に比べると農業への力の入れ具合が強いように思っていたのですが、宅地化で農地が消えているというのが意外でした。
by carotte (2013-10-22 00:32)