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風変わりなコレクション その3 [ポワトゥー=シャラント地方]

 シリーズの三回目は、トラクターよりもずっと小型で、エンジンではなく人力で動く、赤ちゃん専用の乗り物。そう、乳母車です。


 今回はご夫婦で収集してらっしゃいます。


 フランス南西部のポワトゥー=シャラント地方にあるお宅を訪ねてみましょう。

 Paris_VauxsurM.jpg

 


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年10月9日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 トラクターの勇ましさに比べると、こちらは優雅できゃしゃ。


 こうして見ているとそれぞれ個性があります。


 マリーさんとダニエルさんが集めた乳母車の数は110台。


 ビニールのカバーが取り外されて出て来たのは双子用の乳母車。


 レースのカーテン付きの黒い乳母車は、大きな車輪がついて、小型の馬車のようです。


 そうかと思えばアールデコ調の凝ったデザインのものもあります。


 ブルーの椅子に幌がついたような乳母車は141年前のもの。


 少し大きめで中がベージュ、外が黒の乳母車はイギリスのブルジョワが使っていたものでブレーキが付いています。


 「当時は、乳母車の事故が多発していたそうです。なにしろブレーキが付いていませんでしたからね」とダニエルさん。


 「子供の頃からずっと乳母車に興味がありました。それが夫にも伝染してしまったのかもしれませんね」とマリーさん。


 どれを取ってみても同じものはないそうです。装飾が異なっていたり、サスペンションの仕組みもそれぞれ違っています。


 こちらのお宅にもお手入れ用のアトリエがありました。


 「1900年頃のものなら木を使って修復しなくてはなりませんが、これが50年代になると鉄に変わります」とダニエルさん。


 その時代の部品を使って修復し、今でもりっぱに使えるようにしておくのがコレクターの流儀のようです。


 ここでは集めた乳母車を年代ごとにまとめて展示してあります。


 そして見学者の方がなつかしそうに見入っていました。


 「これでした。私が使っていたのは確かにこれです。思えば60年代のことでした」と見学の女性。


 「今のより昔の方がエレガントだったわねえ。今のは折り畳んだりできて便利だけど実用一点張りですからね」と別の女性。


 見れば見るほどバリエーションの多さに驚かされます。集めたくなるのも分かる気がします。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、双子の赤ん坊の親です。二人を寝かせ付けようと車に乗せてドライブしました。寝付いてくれたのは良かったのですが、動かそうものなら目を覚ましそうで、結局、そのまま車の中で一夜をすごしたのでした」


 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 2

opas10

素材、構造に意匠の変化がはっきりと現れていますね。しかもその時代のデザインの傾向も反映しており、デザインミュージアムになってます!!
by opas10 (2013-10-29 23:57) 

carotte

opas10さん
デザインがかなり凝ってましたね。時代によって様変わりしていったのもよく分かりました。現代のベビーカーも実用的な中にもデザインにそれなりにこだわりがあるような気がします。
by carotte (2013-10-30 14:43) 

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