古い建物を訪ねて その2 [ミディ=ピレネー地方]
シリーズの二回目は、サンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼地であり、有数のワインの産地でもあるカオールにあるホテルLe Terminusを訪ねます。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年1月8日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック)
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フランスに数えきれないほどあるLe Terminusという名のホテル。
たいてい駅のすぐ近くにあります。今日、訪ねるホテルも同様です。
一見したところどこにでもあるような古い建物。
何が違うかと言えば・・・扉を開けて中に入れば分かります。
ベルエポックの時代にタイムワープ。
そもそも扉からしてベルエポックしてました。
現在のオーナーであるジルさんのひいお祖母さんにあたるロザリーさんが1910年にここでホテルを開業しました。
それから100年ほどたった今でも、客室にはベルエポックを思わせる装飾があちこちに残っています。
お風呂の蛇口も洗面台の蛇口も古めかしいところが何となくお洒落な感じです。
「代々引き継がれて来た建物ですから、創業当時のものをできるだけ残すようにしてきました。もちろん、近代的に作り替えたりした部分もあります。手入れは欠かせませんからね」とオーナーの奥さま。
装飾入りのラジエーターはまるで彫刻のようです。
古くなって少しかしげた階段の踊り場には古いピアノが置いてあります。
階段と同じで音もちょっと移ろい気味ですが、音色はベルエポック風。
ここにお泊まりになった方々の中には有名人もたくさんいます。
フランソワズ・サガン、レイ・チャールズ、シャルル・トレネ等々。
ホテルに併設されているレストランLe Balandreも評判です。
装飾の施された天井とシャンデリア。そしてステンドグラスの窓。
「朝日の当たる東の窓は青で、夕日の当たる西側の窓は赤で縁取りされています」
厨房でシェフを務めるのは5代目のアレクサンドルさん。
「ステンドグラスの色に合わせて料理を作ったりしますよ」
代々引き継がれて来た料理もあります。
エスカロップ・フォワグラ・ポワレのポーチドエッグ添え(薄切り肉と両面をさっと炒めたフォワグラにポーチドエッグを添えたもの)。
カオールのワインを飲みながらおいしい料理をいただいて、アールデコ調のお部屋に宿泊するのもなかなかいいですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、大渋滞につかまってしまった。おかげで、近くのホテルの無料Wi-Fiが15分も使えた。」
VDM (Vie de merde)より
歴史を感じさせる素敵な風情があっていいですね。いつまでも大切にしたいものです・・・
by rabbit (2014-01-18 07:10)
すごい雪です。
terminusは、デ・シーカ監督の映画「終着駅」の「ターミナル・ステーション」のターミナルでしょうね。
今年は、ここに出てきたサンティアゴへ、行くことにほぼ決定です。今日amazonから、フランス編・スペイン編二冊の地図(ルピュイからサンティアゴまで合計1600km)が届きます。これを見て最終決定するつもりです。自転車ではなく、徒歩で行きます。靴は行っても、行かなくても使うので、トレッキングシューズを既に買って、足慣らし中です。
carotteさんのカテゴリーに入れて貰った「サンティアゴ巡礼」をまた熟読します。
by cycloo (2014-01-18 10:51)
rabbitさん
古いものは風情もあってなんとなく落ち着きますね。維持して行けるものはできるだけ維持して長〜く使いたいものです。
by carotte (2014-01-18 15:14)
cyclooさん
そうですね、ターミナル・ステーションのターミナルです。仏語だとテルミニュス。駅前ホテルというと大抵テルミニュスです。
今年はサンティアゴを徒歩ですか!!自転車で行く人もいるようですが、あの道路の感じからすると徒歩の方がいいのかもしれません。ル・ピュイからの道は人気らしいですよ。観光しながら歩く人もいるとか。ル・ピュイには一度だけ行ったことがありますが、丘の上のあの教会で祝福を受けられるといいですね。カオールも通ることになりますか?美味しいワインが飲めそうです。自分が行くわけでもないのに、なんだかわくわくしてきますね。
by carotte (2014-01-18 15:28)
入口すぐのステンドグラス、蛇口、お風呂の足、暖房器具の彫刻、らせん階段、じゅうたん止めの金具、ドアノッカーなど細部も見どころが多いですね。宿帳には著名人のサインがあるんでしょうか。
by yuzuhane (2014-01-18 15:37)
yuzuhaneさん
客室はいろいろ細かなところを調べてみると、発見がありそうです。昔のものというのは贅沢だなとつくづく思います。どれをとっても装飾がほどこされていておざなりな感じがしないですね。
by carotte (2014-01-19 00:50)
人生スローに生きる派としては、徒歩の巡礼者を追い越すのは主義に反するので、自転車はやめました。
ルピュイでは、丘の下のノートルダム大聖堂の売店で、クレデンシャル(巡礼のパスポート)を貰い(買い?)、最初のタンポンを押して貰います。ミサのあと、巡礼者だけが集まって出発の祝福を受けるそうです。(クレデンシャル提示で、以後ジットに安く泊まれます。素泊まり5~10ユーロで、お布施の場合もあるそうです。)
丘の上のChapelle St.MIchel d'Aiguilleには、階段で登れるので、是非訪れたいと思っています。
カオールも、例のモワサックもまた通ります。
数日前からトレッキングシューズを買って、毎日8km歩く練習をしています。もう足の皮がむけてしまいました。これに10㎏のリュックを背負って、毎日25km歩きます。考えただけで不安になり、毎晩悪夢にうなされるようになりました。
by cycloo (2014-01-19 13:07)
cyclooさん
徒歩は究極のスローですね。
荷物を背負って毎日25キロ歩くとなると、大変そうですね。荷物なしで25キロ歩くのでさえきつい感じがします。昔、リュックを背負ってヨーロッパを鉄道で旅したことがありますが、荷物が重くて結構きつかった覚えがあります。
ル・ピュイの大聖堂は面白い作りになっているらしいです。私が行ったときはさっと見ただけでよく分からなかったのですが、後からTF1の映像で、入り口が面白い作りになっていることがわかりました。あの岩山の礼拝堂は必見ですね。私が行ったときは冬だったので閉まっていて見物はできませんでした。夏は多分大丈夫じゃないでしょうか?
次回の徒歩巡礼の旅は大きなチャレンジになりそうですね。
by carotte (2014-01-23 00:28)
建築から内装、水栓金具まで、ベルエポックのエッセンスが詰まっていました。このホテルは、美術館に泊まるようなものですね~。
by opas10 (2014-01-25 21:23)
opas10さん
考えてみるとそうですね。ベルエポック美術館に泊まるみたいなもんですね。古いものを残しつつ、現在もホテルとして快適に利用できるように工夫しているのがよく分かります。
by carotte (2014-01-30 09:51)