ロワールのお城 その4 [サントル・ロワール地方]
シリーズの四回目は、前回のラ・レモニエールの館からロワール川沿いに80キロほど東へ行ったところにあるシェムリー城(Château de Chémery)を訪ねます(下記地図の黄印)。
これまでとちょっと趣が変わり、中世を思わせるお城です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年2月27日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
素朴な佇まいのシェムリー城。
せっせと修復に励んでいらっしゃる方が現在の城のオーナーで建築家のアクセル・フォンテンヌさんです。
32年前にこのお城を所有して以来、こうして少しずつ修復してきました。
修復の基本は、昔と同じ材料を使うこと。
「回りの環境の中に城が残して来たものを大切にしたいのです。自分の好きなように作り替えたらどうだという人もいますが、そうはしたくないですね。何百年という歴史を経て来たお城ですから、それを大事にしたいです」とアクセルさん。
シェムリー城は13世紀に建てられました。
15世紀に一度改築され、革命の直前には農場として使われていたそうです。
アクセルさんがお城を手に入れたのが1981年のこと。
それまでの所有者は誰あろう、フランスでは知らない人はいない、あのシンガー・ソング・ライターのアラン・スションだったそうです。
「初めのころよく見学に来ていたのがアラン・スションのファンでした。皆『彼はどこに座ってたのかしら』なんて興味津々でしたよ」とアクセルさんの奥さま。
「アランはセカンドハウスとしてこのお城を所有していました。ただ、暖房の設備がよくありませんでしたし、トイレも外についていたりで、あまり住み心地がよくなかったんです」
修復の作業は大変だったようです。
ある程度の修復が完了するまでに30年以上もかかりましたが、おかげでこんな素晴らしいお城に仕上がりました。
そして、宿泊用の部屋も5つほど出来ました。中の調度品はお城の雰囲気に合ったものが揃えられているようです。
「ここなら日常の生活を離れて、王様や王女様になれますよ」と奥さま。
昔の版画のコレクションも専門家にきれいに修復してもらい、部屋に飾るようです。
「お城の中は空っぽですからいろいろ揃えなくてはなりません。それに何かテーマというのがあった方がいいと思うんですよ」とアクセルさん。
もう受け入れの準備ができたお部屋もあります。
ここなら中世を満喫できそうです。
フランスには見学できるお城があちこちにたくさん残っていますが、そのほとんどがこうやって時間をかけて修復されたものなのかもしれません。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、浜辺でウチの息子が他の子供が作った砂のお城を壊してしまった。その母親がヒステリックに騒ぐので、損害賠償として30ユーロ払うことにしたけど、なんだか変よね・・・」
VDM (Vie de merde)より
30年も修復を続ける情熱が素晴らしいですね。でも資産家でないと資金面でなかなかできないでしょうね。重厚な家具が準備されて…確かに普通のホテルとは違う宿泊ができそうですね。一度こんなお城泊まってみたいです。
by yuzuhane (2014-03-12 22:40)
yuzuhaneさん
ある程度、財政的に豊かじゃないとお城の所有と維持は難しいでしょうね。なにしろたいていのお城は壊れていますから、必ず修復しないと普通には使えません。いろいろと費用がかさみそうです。でも、こうして修復が終わったお城はやっぱり素敵です。
by carotte (2014-03-13 15:58)
お城の修復は、なかなか大変そうですが、その作業さえも楽しく感じられないとオーナーはやってられないでしょうね~。そのオーナーのアクセル・フォンテンヌさん、最初はくたびれたオランド大統領に見えていたのですが、最後のほうには小林克也氏に見えてきて(笑)
by opas10 (2014-03-18 23:34)
opas10さん
やはり建築家だけあって、お城の修復をそれなりに楽しんでいらっしゃるようです。アクセルさん、やっぱりくたびれたオランド大統領に見えます!髪のちょっと薄くなって。^^
by carotte (2014-03-20 14:34)