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村の存続 [ミディ=ピレネー地方]

 日本より一足早く春を迎えたフランスでしたが、ここ数日、寒さが戻って来たようです。


 一昨日の朝には、霜が降りて、皆さん急に冬の服装に逆戻り。幸い、今週末にはまた暖かくなるようです。


 さて、市町村選挙真っ最中のフランスですが、町長や村長に立候補者のなかった小さな自治体は約60ほどあったそうです。


 このままでは、町も村も存続できなくなってしまいます。


 次の望みは30日に予定されている二回目の投票。この日までに立候補者が現れれば、存亡の危機を回避できます。


 そんな村の一つがロット県のラヴァル=ドゥ=セール(Laval-de-Cère)。

Paris_LavaldeCere.jpg


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年3月26日に放送)(をクリックしても映像が見られない方はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 ここが村役場です。歴史が染み込んだような石造りのりっぱな建物。


 革ジャンを着た白髪頭の男性が村長さん。


 手にしているのは第一回目の投票で使われなかった投票箱です。


 「これが戸棚にしまってあった投票箱です」と村長さん。


 日本の投票箱と違って全面透明の箱。


 黒いレバーを押すか引くかすると、真ん中の細い口が開いて、封筒に入った投票用紙を入れられるようになっています。


 よく見ると左右に鍵もついています。


 村長のジャン=マルクさん、1983年に当選して以来、村長を務めてきました。


 「村長になって31年になります。もう十分長いですよ。若い人に道を譲る時だと思って立候補しないことにしたんです」


 しかし、他に立候補者が現れません。


 危機感を強くした村人たちは若い候補者探しを始めます。その中の一人がパン屋さん。


 「この村にはこの村だけにしかない個性というのがあるんです。それを存続させていかないとねえ」とパン屋さん。


 それでも立候補者は現れず、結局、ジャン=マルクさんがまた立候補することになりました。


 とは言っても、今度はちょっと違っています。1、2年かけて若い人を後継者としてトレーニングすることになっています。


 こうして、238人の選挙権を持つ村人たちは今週末に予定されている第二回目の投票に参加することが出来るようになりました。


 「30日には投票に行きますよ!」と年配の男性。


 「ちょっと時間がかかりましたが、投票できるようになりました」と若い女性。


 村にあった工場は30年前に閉鎖。自動車修理業者もいなければお医者さんもいません。


 しかし、村人の団結力でなんとか存続ができそうです。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、クラスの選挙で “いちばん面白い奴” に選ばれた。ただ単に、話をすると鼻が動くだけなのに・・・」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 2

opas10

30年以上も村長って、昔だったら利権か?なんて言われていたのが、今やなり手がなくて貧乏くじみたいになっちゃっているんですね。先人たちが沢山の犠牲を払って手に入れた民主主義がかなり弱体化しちゃっているんでしょうか。
by opas10 (2014-03-31 23:51) 

carotte

opas10さん
形ばかりの報酬をもらっていろいろこまごまとした仕事をこなさなくてはならないらしいです。ほとんどボランティア。30年もやればそろそろ別の人に道を譲りたいとなるでしょうね。
by carotte (2014-04-03 19:04) 

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