昔ながらの工場を訪ねて その3 [フランスのお宝]
シリーズの三回目は、鋳造所です。
フランス東北部の小さな村にあるフランスで最も古い鋳造所の一つを訪ねてみましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年4月30日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
村の鋳造所GHMは、1840年から様々な鋳造品を作ってきました。
市街地でよくみかける銅像や街灯など少し美術的な要素のあるものばかり。パリの地下鉄の入り口もGHMの手によるものです。
下記もGHMで作られました。
フランスだけでなく世界の各地にあるそうです。
最近では有名なデザイナーがデザインしたものも作っているそうです。
朝の4時から仕事は始まります。炉の中の温度は1400℃にも達します。
真っ赤に溶けた金属は、こうして様々な型に流し込まれます。
ベルナールさんは朝5時から午後1時までの勤務。
「ここで働き始めて38年になるよ。父もここで働いていたんだ。そして今は倅も働いてるよ」
製造用の機械は新しくなりましたが、その原料と技術は昔のままです。
まず、午前中のグループが溶けた金属を型に流し込み、午後のグループが固まった中味を型から取り出します。
この作業も重労働ですね。しかも一つ間違えば命に関わる危険な仕事でもあります。
「仕事は楽しいよ。一日が終わると充実した気分になるね。また明日もがんばろうってことになる」とクリストフさん。
「優柔不断じゃやれないし、いいかげんでもいけない。なにしろ高温だからね」とジャン=マルクさん。
型から取り出された鋳造品はこうして最後の仕上げが人間の手で行われます。職人さんたちの確かな技術が工場を支えています。
一つ問題なのは、この技術を引き継いでくれる若者が足りないこと。鋳造の仕事は若者にはいまひとつ魅力的ではないようです。
「ちょっと厳しい仕事ですね。でも、私も特にこの仕事に向いているというわけじゃなかったですが、義理の父に紹介されてここで働き始めてからずっと続けてますよ」
工場長のフィリップさんの後ろに見えていたのが、上記の写真と同じものです。
現在、GHMの従業員は400名。機械化の進んだ工程もありますが、製作されているのは伝統的な製品がほとんどです。
これらの製品はフランス国内だけでなく海外にも輸出されているそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、お湯が出るうちに、熱いシャワーにかかるのを先にするか、お皿洗いを先にするか迷っていた。そして、お皿洗いをした後も、どっちを先にするか悩んでいた」
VDM (Vie de merde)より
1400度ですか。危険と隣り合わせの結構な重労働な感じですね。でも出来上がってくるものは美的にも優れたものなんですね。パリの地下鉄の入口とか結構装飾が凝っていますものね。最初のおじさん、サングラスをとったらら結構おで。目がかわいい方で印象が違っていました。長く働く方もいるんですね。
by yuzuhane (2014-05-09 11:58)
yuzuhaneさん
赤く溶けた金属が流れ出すところなんか見ているとちょっと怖いですね。作業服に身を固めた工員さんはちょっと強面かなと思っていると、優しい感じの方でした。それに皆さん素朴な感じ。パリの地下鉄の入り口なんか一体誰が作るんだろうと思っていました。この工場で作ってたんですねえ。
by carotte (2014-05-10 10:52)
日本で言うところの、川口の鋳物工場ですね。鋳造は、何かにとって代わられることのない技術ですが、やはり高温で危険が伴う過酷な労働条件から、若者に敬遠されるのでしょうか。
by opas10 (2014-05-11 16:16)
opas10さん
実際の製作現場は大変なエネルギーを必要とするようですが、地味な仕事に見えますね。その辺りがいまひとつ若者に不評なのかもしれません。でも、製作しているオブジェは西洋の街角には欠かせないものですね。
by carotte (2014-05-14 10:56)