フランス伝統の料理 その4 [フランスのグルメ]
シリーズの四回目は、モツ煮込み。
ノルマンディー地方カルヴァドス県の県庁所在地カーンで生まれたカーン風モツ煮込み(Tripes à la mode de Caen)です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年5月15日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
モツ煮込みチャンピオンの称号を持つオリヴィエさん、今日も厨房に立っています。
カーン風モツ煮込みで使うのは、反芻動物の4つの胃袋です。
オリヴィエさんが手にしているのは、手前の大きいのがミノ、つまり第一胃。それにくっ付いているのが第二胃、通称ハチノスです。
そして、グニャグニャのひだのついた第四胃(ギアラ)と、たくさんのびらびらがついた第三胃(センマイ)。
これに加えて牛の足も使います。
胃袋をそれぞれざく切りにしたら、牛の足と一緒に大鍋に入れ、ブーゲガルニと秘伝の食材を加えぐつぐつ煮込みます。
これがカーン風モツ煮込み。週に200キロは作っているとか。
オリヴィエさんのお店には、優勝カップと賞状が飾ってあります。例のコンフレリー(愛好協会)から授与されたもの。
カーンには、この料理専門のコンフレリーがあるそうです。
本日もお客樣方がモツ煮込みをお買い求めになっているようです。
「夫が大好きなんでね」と女性客。
さて、オリヴィエさんを表彰したというコンフレリー。メンバーが集まってなにやら会議中のところをお邪魔しました。
カバンから出してみせてくれたのが、お鍋の形の優勝トロフィー。毎年開催されるコンクールで優勝した人に与えられます。
カーン風モツ煮込みは、13世紀、カーンの修道院で料理をまかされていた僧侶シドワヌ・ブノワによって考案されました。
それから900年間、人々に食べられ続け、いまやノルマンディーを代表する郷土料理になったのでした。
Café Mancelでは、月に一回、お食事会が開かれます。一見してあまり美味しそうには見えないのですが、愛好家に取っては堪らないようです。
「大好きですよ。朝も昼も夜も食べたいです」と男性。
「朝からこれを食べるなんてびっくりしましたよ」と別の男性。
えっ、これは朝ご飯?
そう言えば、さきほどお店の方が、もうすぐ朝の9時だとか言っていましたっけ。
お腹いっぱいになってお店を出てきた皆樣方。お昼は抜きだそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、朝ご飯を食べていると、6歳になる弟が、バターを冷たいところにおいておくと固くなるのはなぜかと聞いてきた。僕は、バターの中には脂肪があるからだと答えた。すると少し考えてから弟が言った。『じゃあ、お兄ちゃんはなぜ固まらないの?』」
VDM (Vie de merde)より
フランスにもいるんですね、モツ煮込みの名人!画面に出ていない所で、下拵えやアク抜きを丁寧にやっているのでしょう。それにしても朝からワインとモツ煮込みですか、こりゃあヘビーでしょうね~(笑)。
by opas10 (2014-05-18 00:35)
opas10さん
胃袋とかの内蔵はよく洗浄しないと食料にはできないそうなので、この段階までにいろいろ作業があるんでしょうね。モツ煮込みというと朝から食べるという話題が結構あります。前の晩に煮込んで翌朝食べるということかな・・・。
by carotte (2014-05-21 16:11)