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広場のアート作品 [地方の小さなできごと]

 フランスの町や村と言えば、中心に広場があり、そこに水が湧き出るフォンテーヌ(給水所のようなもの)が設置されています。


 ほとんどが、きれいな彫刻がほどこされたオブジェのような施設から水が流れ出て来るようになっています。


 フランス北部モーゼル県の町アヤンジュ(Hayange)には、下記のような現代アートのフォンテーヌが設置されています。


 これが今、ちょっとした問題になっています。 



(本日は動画はありません)

 真ん中のごつごつした岩のようなものから水が流れ出し、巨大な玉子のようなオブジェにその水がかかるように作ってあるようです。

 

 このフォンテーヌ、地元のアーティストが制作した作品で、2001年に、当時の町長(社会党)が購入し、ここに設置しました。

 

 ところが、現在の町長(「国民戦線」という極右政党)が、水色に色を塗り替えてしまいました。その写真が→こちら 

 

 驚いたのは何も知らされてなかった制作者のアランさん。

 

「最初、その話を聞いた時はにわかには信じられませんでしたが、友人が確認したというので本当のことだと分かりました。役場に連絡をしてみましたが、ちゃんとした説明はありませんでした」

 

 一方、ペンキを塗った町長の方はと言えば・・・

 

 「間違ったことをしたと言われましてもねえ。あのままじゃアート作品とは言い難しでしたからね。町が暗くていん鬱な雰囲気になってたんで明るくしただけなんですよ」

 

 とまったく自分のしたことの重大さに自覚なし。

 

 しかも、今回の騒ぎを受けて、今度は制作者にこのフォンテーヌを売却したいと言い出す始末。

 

 因に、2001年に購入した時の額は9,000ユーロ(120万円ほど)だったそうです。

 

 この一件を知った文化大臣(社会党)は、人格権、知的財産権及び文化財保護法の基本規則の明白な侵害であると述べたとか。

 

 さらに、作者であるアランさんは、すでに訴訟を起こしており、即刻、ペンキをはがすようにと訴えています。

 

 そして「あの水色は、国民戦線のロゴの色にそっくりだ」とも言っているとか。

 

 現町長、どうも分が悪いようで、勝ち目はありませんな。


 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、午前中に家の垣根を青いペンキで塗った。すると午後には、ウチの猫がブルーに染まり、垣根には毛が生えていた」

 

VDM (Vie de merde)より





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