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ジュラ その2 [その他の国]

 シリーズの二回目は、フランスとの国境添いにあるスイスの”ウォッチバレー(Watch Valley)”を訪ねます。


 下記の地図にあるように、ここには名だたる世界の時計メーカーの工場が集まっています。


 そんなことから、シリコンバレーならぬウォッチバレーという名称が生まれました。

Paris_Jura.jpg

より大きな地図で ウォッチ・バレー を表示

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年4月20日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 標高1000m。こんなのどかな風景の中にウォッチバレーはあります。


 この地域では17世紀頃から時計の製造が始まり、掛け時計や腕時計を供給してきました。


 今では、ロレックス、ブライトリング、ティソ、カルティエ、ゼニスなど、世界的な時計メーカーの工場がここで製品を生み出しています。


 その中の一つ、スイスで4番目のメーカー、ゼニスの工場を訪ねました(上記地図の青いドロップ)。


 ここでは300人ほどの時計職人が働いています。


 「一度組み立ててしまえば全部覚えていますよ」と時計職人。


 小さな腕時計でも部品の数は3桁はいくんじゃないでしょうか?さすがに職人さんですね。


 ここから5キロほど北へ行ったところに、古くから時計製造で知られる町ラ・ショー=ドゥ=フォン(上記地図の青いピン)があります。


 外の明かりを最大限に取り入れられる窓のついた建物があちこちに並んでいます。この街並が産業遺産としてユネスコの世界遺産に登録されています。


 ドゥニさんが案内してくれたのは、19世紀の頃のままに残された時計工房です。2年ほど前に偶然発見されました。


 昔はこのような工房が100軒ほどあったそうです。


 そして、町のもう一つのお宝が、1855年に馬の調教場として建てられ、後に労働者向けの集合住宅として使われたアールヌヴォー調の建物。美しいですね。


 実際に1970年初頭まで労働者が住宅として使っていましたが、1980年には不衛生な建物としての烙印を押されてしまいます。


 が、しかし、これだけの建物です。修復されて1983年にはこのように美しい建物としてよみがえりました。


 ウォッチバレーは様々な雇用を生み出している場所でもあります。


 そのためフランスの国境を越えて働きに来る人たちが大勢います。毎日こうして車で国境を越え隣国にやってくる人たちのことをフロンタリエと呼んでいます。


 53歳になるディディエさんもその中の一人。10年ほど前、生まれ故郷のノール県を後にし、仕事を求めてスイスとの国境にやってきました。


 今ではこうして国境を越えてスイスで時計職人として働いています。


 そして最後に取材班が訪ねたのは、フランスのブザンソン。


 ここも昔から時計や精密機械製造の町として知られています。


 ここにはブライトリング社のアフターサービス部門があります。時計の修理が主な仕事です。


 ブザンソンが選ばれた理由は、伝統的に高い技術を保有していること、スイスに近いことだそうです。


 2013年、このウォッチバレーで製造された時計の輸出高は180億ユーロに達しました。すぐれた伝統技術の成果です。

 

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、ちょっと道に迷ってしまい、通りすがりの男に時間を尋ねた。するとそいつは自分のこぶしを一瞥すると『3時だ』と言い残し去って行った。そいつは時計など持っていなかった!」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 2

opas10

アールヌーヴォーの建物は美しく、また吹き抜けとなったホールは天窓からの採光がとても気持ちよさそうで、とても不衛生の烙印を押されるようには見えないです。ディディエさんは、国境を越えてきて良かったのでしょうね、なにせ乗っている車がAudiですから(笑)。
by opas10 (2014-08-17 00:34) 

carotte

opas10さん
ディディエさん、そう言えばAudiでしたね〜。良い暮らししているのかも。
アールヌーヴォーの建物は修復前はかなり傷んでいたのかもしれません。これだけきれいなところなら、また住宅として利用できるようになるといいのにと思ってしまいます。
by carotte (2014-08-23 10:26) 

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