カニグー山をめぐる旅 その5 [ラングドック=ルシヨン地方]
シリーズの最後は、カニグー山から真北へ15キロほど行ったところにある村エウス(Eus)(下記地図の紫印)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年8月29日に放送)
人口400人ほどのエウスは、「フランスで最も美しい村」の一つです。
ジャンさん83歳は村の生き字引。村についてなら隅から隅まで知り尽くしています。
この家の壁は夜でも明るいように白っぽい石でつくられているそうです。
そして、昔は文字を読める人が少なかったため、玄関の表札や看板には文字を刻印するのではなく、それと分かるような石をはめ込んだそうです。
それにしてもこの変化に富んだ村の路地。散歩するのが楽しくなりそうです。
こちらの家の窓には真ん中に装飾のほどこされた鉄の棒が立っています。これは窓から出入りできないようにするためのものだったそうです。
さて、村には28人もの工芸家が暮らしています。これだけの数のアーティストが集まっているということは、この村はそれだけ住み心地がいいということなのでしょうか?
アーティストの一人ティエリーさんは、ここで時計を作っています。
これは時間を見るというより、部屋の中のインテリア用オブジェのような時計ですね。
「カタルーニャ地方でアトリエにできる場所はないかあちこち探しました。そしてここに落ち着いたんです」とティエリーさん。
村のレストランのテラスからは正面にカニグー山をのぞむことができます。
エウスは観光産業に力を入れていますが、もともとは農業のさかんな地域。
特にこの時期は、桃の収穫が始まっていました。
村はフランスでも一番太陽の日差しが多いところ。これが果物の生育に適しているのだとか。
「この時期、夜は10℃くらい、昼間は30℃にもなります。この気温差が、桃の色合いや味に良い影響を及ぼします」と男性。
お話を聞いていると、同じ南部でもプロバンス訛とはまた違った訛がありますね。
この果樹園から少し離れた所に苗木センターがあります。ここでは1000種類もの柑橘系の苗木が育てられています。
すべてがここの気候に適した苗木とは限りません。
「育つかどうか実験をしているのと同じです。それによって、ここには生育していなかったものが育つことが分かったりするのです」と係の男性。
その奥さまが見せてくれたのがちょっと変わった果物。キャビアのように見えます。
「レモンのようなグレープフルーツのような味わいがあります」
山間の小さな村エウスは毎年26,000人の観光客が訪れるそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、急いでいたので飲み残しのコーヒーを流しに捨てないで窓から捨てようとした。反省・・・窓を開けてからやるべきだった」
VDM (Vie de merde)より
石、石、石、ほんとうに石の文化ですね。
それにしても、防御のためか、高いところの村が多く、今回の巡礼で歩いていても、フランスとスペインは山の上か、谷の底にしか、村はないのか?!と随分悩まされました。
by huck (2014-09-06 12:20)
huckさん
昔、フランス人に日本人は紙で家を作ると冗談を言われたことがありますが、そのご当人はなんでも「石」ですよねえ。
フランスは平野が多いような気がしていましたが、歩いてみるとでこぼこなんですね。特にあのあたりは中央山岳地帯ですし、スペインとの間にはピレネーがありますから大変ですね。
by carotte (2014-09-07 00:59)
石造りの家並みが実に美しいです。路地もいい感じで、散策が楽しそうな村ですね。果物が美味しいっていうのもいいですね~。ワインはどうなんでしょう?
by opas10 (2014-09-15 23:05)
opas10さん
この辺りはワインもとれるはずですよ〜。
趣のある古い路地やらロケーションやら、のんびりした雰囲気が住み心地の良い原因かもしれません。
by carotte (2014-09-21 19:04)