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日の出 [パリ]

 画家クロード・モネの傑作の一つ「印象・日の出」。


 あの印象派の語源になった作品でもあります。


 現在、パリのマルモッタン美術館に収蔵・展示されていますが、この絵の謎を解き明かそうと、美術館が様々な分野の科学者に分析を依頼しました。


 そして分かったことは・・・。

Paris_Paris.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年9月29日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 あまりにも有名なこの絵。そのサインから1872年に制作されたことが分かります。


 そしてその年、モネはル・アーヴルの港の見えるホテルに滞在していました。


 分かっていることはその2点だけ。


 モネは港の絵を何枚も描いていますが、その港は破壊されてしまい今は残っていません。


 そして、現在「印象・日の出」とされている作品は、これまで何度もタイトルが変わっているそうです。


 例えば、「印象・日の入り」「一瞬の印象」「霧の効果」等々。


 いったいモネはどこから、正確にはいつこの絵を描いたのでしょう?


 2年ほど前から専門家たちがこの絵を詳細に渡って研究してきました。


 絵の右側には、当時工事中だった船着き場が描かれており、左側には工場があります。


 これによりモネは、ホテルの部屋のバルコニーで、イーゼルを東に向けて描いたことが分かります。


 となると、これは日の入りではなく、日の出を描いたことになります。


 「この部分には、開かれた水門が描かれています。水門は高潮の時に3時間毎に開かれていました。さらに、天文学者や気象学者の意見を参考にすると、この絵が描かれたのは、1872年11月13日の午前7時35分ではなかったかという結論に達しました」と美術史が専門の女性。


 時間まで割り出すとは、すごいですね。


 第二次世界大戦中、この絵はどこか分からないところに隠されていたそうです。その後、ルーブル美術館所蔵の他の作品と一緒にシャンボール城に5年ほど展示されていました。


 これだけの作品となると気になるのがそのお値段。


 最初は1876年に800フランでモネの友人に買い取られます。


 そして1886年には210フランで転売。ほとんど二束三文で売られた感じですね。


 しかし、1920年には15,000フラン、1935年には125,000フランにまで値を上げました。


 もし今売るとしたらいくらくらいになるのでしょう?


 一度、盗難騒ぎもあった「印象・日の出」ですが、マルモッタン美術館が手放すようなことはないでしょうね。

 

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、弟は、絵筆をシャンプーで洗った後、リンスしてるそうだ」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 2

opas10

港が破壊されてしまった、というのはスゴイですね、やはり第二次大戦でしょうか。絵が描かれた時間を割り出すって、犯罪捜査の証拠探しみたいです(笑)
by opas10 (2014-10-05 17:29) 

carotte

opas10さん
港が破壊されたのはやはり先の大戦中でしょうね。
考えてみれば、作家が自分でタイトルをつけてくれれば別ですが、なにもないとのなると、日の出か日の入りか分からないですね。いろんな情報を付き合わせて一つの結論が出る、なんてやっぱり犯罪捜査ですかね。
by carotte (2014-10-11 14:40) 

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