SSブログ

ドラジェ [フランスのお菓子]

 今年は第一次世界大戦開戦からちょうど100年目。


 日本ではあまり話題にはなりませんが、ヨーロッパでは多くの犠牲者を出した悲惨な戦争として、今でも各地で記念の式典が開かれたり、記念碑が建てられたりしています。


 そんな厳しい戦いの行われた場所の一つが、フランス東北部の町ヴェルダン(Verdun)です。


 そんな歴史を持つヴェルダンの町の名物がドラジェというお菓子。いったいどんなお菓子なんでしょう?

 

Paris_Verdun.jpg



 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年11月2日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。

 ヴェルダンのお住まいの皆さんに尋ねてみました。「ヴェルダンの名物と言えばなんですか?」


 「ドラジェだと思うよ」と男性。


 「名物ならドラジェよねえ」と女性。


 やはりドラジェはヴェルダンの名物のようです。


 町のお菓子屋さんに入ってみると、たくさんのカラフルなドラジェが並んでいました。


 「ドラジェはとても洗練されたお菓子です。最初から最後まで手作りですよ」とお店の方。


 作り方は何百年も前から代々伝えられてきました。


 まずはお菓子の中心になるアーモンドの選別から始まります。


 こうしてドラジェにふさわしいと選ばれたアーモンドは、大きな鍋の中に入れられ、少しずつ砂糖ペーストでコーティングされます。


 きちんとコーティングされているかどうか係員がつきっきりで監視しています。


 これだけの数のお鍋の中でドラジェが動いているとかなりの音ですね。係員の方、しっかりイヤーマフを装着しています。


 「仕事を覚えるには何年もかかります。経験が必要なんです。一年や二年では覚えられませんよ。私はもう何年もこの仕事をしていますが、うちの嫁はバニラの匂いがするって喜んでますよ」


 バニラの匂いがするって、いいですね。


 フランスでは毎年50,000トンのドラジェが販売されているそうです。


 ドラジェ好きには、ナポレオンにイギリスの王室、そしてシャルル・ド・ゴールなどのセレブリティもいます。


 今はこうしてお菓子屋さんで売られているドラジェですが、昔はそうではなかったそうです。


 「ドラジェは1220年にヴェルダンの薬剤師が初めて作った言われています。アーモンドを上手に保存して運搬する方法は何かないかと考えているうちに、砂糖ペーストでコーティングすることを思いついたのだそうです」


 ということは薬屋さんで売っていたということになります。


 そういえば、錠剤に同じように砂糖ペーストでコーティングしたのがありますね。そして、昔は砂糖の売買は唯一薬剤師だけに許されていたそうです。


 さて、お値段はというと、1キロで50〜70ユーロと少々お高め。


 となると、ピーナッツみたいに気軽にぽりぽり食べるわけにはいきません。


 「洗礼や結婚のお祝いの時に食べますよ」と女性。


 ドラジェを作っている作業員の映像が最後に出てきましたが、どうやら砂糖水を加えながら、少しずつアーモンドをコーティングしていくようです。経験がものをいう仕事というのに納得です。

 


 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、隣の子供が砂糖を借りにやってきた。私が砂糖を渡すとその子が入った。『ママの言った通りだわ。太っちょの家には必ず砂糖がある』」

 

VDM (Vie de merde)より



nice!(45)  コメント(4) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 45

コメント 4

t-toshi

この間のツアーで、ボスニア・ヘルツェゴビナも行きました。サラエボ事件が第一次世界の引き金となり、今年はその100年目に当たりますね、と添乗員さんに教えて上げたんですよ。残念ながら、サラエボには行きませんでしたが。
by t-toshi (2014-11-05 19:09) 

carotte

t-toshiさん
そうですね、サラエボ事件が引き金でした。今年フランスのメディアでは第一次世界大戦の特集をさかんにやっています。ヨーロッパでは第二次世界大戦と同じかそれ以上に重要な戦争だったのかななんて考えさせられます。
by carotte (2014-11-06 12:02) 

opas10

欧州では、第一次世界大戦による混乱と不安定が、第二次世界大戦に繋がっていますね。
ドラジェの鍋、今は電動で回転していますが、昔は人力で回していたのでしょうから、今以上に手間のかかる高級なお菓子だったのでしょうね。

by opas10 (2014-11-09 12:28) 

carotte

opas10さん
第一次世界大戦は、一応日本も参戦してどんぱちやったようですが、欧州の比ではないですね。想像以上に欧州では重要な戦争だったようです。
あっ、そうですね。ドラジェの鍋は昔は手回しのはずですね。となると、今よりずっと大変です。そうそう簡単にぽりぽり食べられるものじゃなかったはずですね。
by carotte (2014-11-10 13:19) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。