地方都市のパサージュ その3 [アキテーヌ地方]
シリーズの最後は、フランス南西部の都市ボルドーのパサージュを訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年3月12日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
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路面電車の走る大通りに面したところに、パサージュ・サルジェ(passage Sarget)の入り口があります。
完成は1833年。一般に公開されたのはだいぶ後になってからの1878年のことです。
全長80mほどのこのパサージュの名物は、なんといってもこの赤絨毯です。
ちょうどガイド付きのツアーの真っ最中。ちょっと皆さんと一緒に歩いてみましょう。
ガイドのピエールさんはこのパサージュについては何でもご存知だとか。しかし、今日はテレビの取材班と一緒とあって勝手が違うようです。
なんだかカメラを意識して「帽子を取ったほうがいいかな?」なんて言って、みんなの笑いを誘っていました。
そのピエールさんが指差す先には・・・天井の壁に開いた四角い穴。
こんなところにどうして穴が?
実はあの壁の裏側には、このパサージュのオーナーだったサルジュ男爵の奥方がいて、あの穴からこちらを見ているのでした。
その場所まで階段を上がって行ってみましょう。
かつてこの部分は男爵の住居スペースでした。
そして該当の部屋へ行ってみると、壁の装飾の一つがめくれるようになっています。パサージュの様子がよく見えます。
この四角い穴、男爵が奥方を監視するためにも利用されていたそうです。
さて、なんだかおかしな男性が変てこな自転車に乗って現れました。地元のタレントさんのようです。このパサージュについて詳しいのだとか。
「ここはもともとパサージュではなかったのです。突き当たりは塞がっていて通り抜けができませんでした」
1900年に工事が行われ、今は通り抜けられるようになっています。それからどんどんお店が増えていき現在に至っています。
おしゃれで高級なお店が多いのがここの特色です。
「みんなそれぞれ独立した個性のあるお店ばかりですよ」とあるお店の女性。
「ここはシックでエレガントなイメージのところですよ。ショーウィンドウを眺めたりお茶したりして楽しんでいます」と女性客。
このパサージュにあるサロン・ドゥ・テ(主に紅茶とケーキが出るお店)は人気だそうです。
落ち着いた雰囲気でゆっくり紅茶が楽しめそうです。
そして午後7時過ぎには門が閉められ、絨毯の掃除が始まります。
ここも夜は閉まるパサージュでした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、朝の2時だというのに上の階で大騒ぎをしているから頭にきて、モップの柄で思い切り天井をつついた。で結局、天井に穴が開いただけだった」
VDM (Vie de merde)より
今回のシリーズのパサージュは、どこも魅力的でした。それにしてもあの四角い穴は、人間の妙な猜疑心を象徴しているのですね。
主に紅茶とケーキが出るお店、ということは桜高の音楽準備室も「サロン・ドゥ・テ」ということになりますね~(笑)
by opas10 (2015-03-23 22:22)
opas10さん
時々生演奏もあるらしいですが、あそこは間違いなく「サロン・ドゥ・テ」です!^^
地方にもこんなりっぱなパサージュがあちこちにあったんですね。あの四角い穴は、やはり人間の覗き趣味みたいなのも象徴してるんじゃないでしょうか?こっそり見てはしめしめみたいな気分になるとか。
by carotte (2015-03-29 11:58)