エリゼ宮 その2 [パリ]
昨日、近所の家の桜の枝先に、2輪ばかり花が開いているのを発見しました。
ちょっと嬉しくなります。冬が終わり、いよいよ春がやってきたようです。
日本人は、やっぱり桜が咲いてこそ春を知るですね。
さて、フランス大統領の執務室と住まいになっているエリゼ宮シリーズの二回目は、その調度品に注目してみましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年3月22日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
今から約300年ほど前の1718年に建てられたエリゼ宮は今も現役ですが、国の文化財に指定されています。
中を見てみると・・・お城のような豪華さ。
大統領の執務室はまさに宮殿です。
部屋の内装に合わせたように装飾のほどこされた優雅な作りのイスや机。
そこいらの家具屋さんですぐに手に入るような調度品ではなさそうです。
これの維持と管理はなかなか大変そう。
その大変な仕事を請け負っているのが、Le Mobilier national(国立備品局)という組織です。文化省に所属しています。
中に入ってみると、職人さんたちが仕事をしています。
エリゼ宮の一階にある広間の壁を飾る布を製作中です。
この柄、18世紀に国王の部屋用に使われたそうですが、それをジスカールデスタンが大統領時代に注文して作らせたそうです。
織りあがった布をこうして一枚に縫い合わせていきます。
一方、イスの張り替えを担当している人もいます。一つ作り上げるのに3週間かかるそうです。
作業の様子を見ていると、それくらい時間がかかるのも納得です。
「できるだけオリジナルと同じになるよう手作業で作っています」と責任者の方。
もう一つの豪華なイスは、執務室の隣にある応接間に置いてあるイスです。
なんかすごい作りのイスですね。皇帝のイスと呼ばれています。
このブルーの布はサルコジさんが選んだそうです。どうやら特注品のよう。
この備品局はエリゼ宮だけではなくすべての宮殿のメンテナンスを一手に引き受けています。
調度品の数は2万点にも及びます。
去年はエリゼ宮で大規模なリニューアル作業が行われ、全部で22組あるこの赤いカーテンもすべて取り換えられたそうです。
そしてカーテンの上に下げられていた刺繍入りの細い垂れ幕もこの備品局で作られました。完成までに2年かかったそうです。
古い宮殿が今もこうして色あせることなく今も使われているのは、様々な職人さんの技術のおかげだったのですね。
尚、エリゼ宮については3年ほど前にも違った視点から記事にしています。エリゼ宮の全体の作りがわかるようになっています。興味のある方は→こちら
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、事務所の新しいイスの高さ調節が壊れてしまった。僕のお尻は地上15センチのところにあり、顔はかろうじて机の上に出ている状態。辞書がもう3冊ほどあればなんとかなるんだが・・・」
VDM (Vie de merde)より
東京駅のリニューアルを扱ったテレビ番組によると、オリジナルを忠実に再現しようとしたので、内装外装とも職人技のオンパレードになったそうです。エリゼ宮は、元々が工芸品なのでメンテナンスも大変なのが頷けます。でもそうやって伝統の技を次世代に受け継いでいるのでしょうね。
by opas10 (2015-03-29 16:59)
opas10さん
いやあ、オリジナルを再現するとなると、職人技がものを言うんですね。職人さん、大切にしないといけないです。古いものがきちんと残っていることで歴史が目に見えるんですよね。目に見える歴史があるのとないのとでは、生活する人の気の持ちようも違ってくるように思います。
by carotte (2015-03-29 23:38)