ギリシャの緊縮策 [ギリシャ]
EUの経済支援が確定して、やっと銀行が業務を再開したギリシャ。
銀行が閉まっている間、貴金属を売ってお金に変えてやりくりしている人もいたようです。
銀行の資金繰りに目処が立ち、再開されたとなると、今度はギリシャが約束を果たす番。
その約束の一つが付加価値税の値上げです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年7月20日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ギリシャ市内を走る一台のタクシー。
今日から、16%だった付加価値税が23%に引き上げられました。
「今朝から料金を値上げしなくてはなりませんでした。ただでさえタクシーに乗る人が減っていたのに、これでまたお客さんが遠のいてしまいます。すでに失業してしまった運転手もいます」とタクシーの運転手。
付加価値税は、小麦粉、砂糖、牛乳、肉などすべてに課せられているので、お金持ちも貧乏人も平等に負担することになります。
「皆んな、お金なんて持ってないですよ。そんなんで値上げしてどうなります?実際、買い物をする人がどんどん少なくなってるんです。23%なんてほんとに高すぎますよ」と食料品店の方。
食料品店の壁にはキリスト像が飾ってありました。ギリシャ正教会の信者でしょうか?
因みにギリシャ正教会は土地を始め多くの財産を所有しており、ギリシャの経済に少なからぬ影響を及ぼしているとか。
若者の中には、こんなギリシャを離れて行く人もいるそうです。
「私もギリシャを離れようかと思いました。妹は大学を出てすぐに国を出て行きました。この国では月に400ユーロ稼ぐのがやっとなんです。でもたった400ユーロでどうしろというんです?」と女性。
この日、唯一のいいニュースは、3週間も閉まっていた銀行が業務を再開したこと。
やっと現金を引き出して買い物をすることができます。
それに子供達に仕送りすることもできるようになりました。
「銀行が開いたのはいいけど、ずっと60ユーロまでしか引き出せないんだよ」と男性。
「銀行が開いてほっとしました」と女性。
EUに緊縮策を約束したチプラス首相。
議会と空港の往復に忙しくて、十分な睡眠も食事も取れないんじゃないかと、母親が心配しているとか。
家族に会う時間もないという多忙な毎日。
このような国の舵取りは簡単ではなさそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、うちの銀行のあるお客が、署名した書類を銀行に返送できるように着払いの封筒を郵送してくれと言ってきた。そのお客は、銀行の真向かいの建物に住んでいる」
VDM (Vie de merde)より
日常生活のすべてに23%はキツいですね。しかも北欧諸国だと、福祉の充実のためということで納得できますが、こちらは福祉は切り詰められて税金は上がる、だから不満は募るわけです。こうした国民の不満を捉えて、ヒトラーのようなおかしな輩が出てこなければよいのですが。
by opas10 (2015-07-26 21:47)
opas10さん
ギリシャの23%は赤字克服のためですから、自業自得とは言え痛々しいです。収入は減るのに出て行くものだけが増えるという国民にはきつい状況です。そういう国民の不満をバックグラウンドにして出てきたのがチプラスさんなんですが今のところヒットラーみたいになる気配はなさそうです。でもこの先、ギリシャがどのようになるのかはわからないですね。
by carotte (2015-08-02 14:46)