フランソワ1世を巡る旅 その1 [サントル・ロワール地方]
今年、フランス国王フランソワ1世(1494年9月12日〜1547年3月31日)が王位についてから500周年目にあたるそうです。
そこで、今日から5回のシリーズで、フランソワ1世にちなんだお城を訪ねながら、その足跡を辿ることにしましょう。
第一回目の今日は、2つのお城を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年7月20日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
フランス国土を横断するように流れるロワール川。この川沿いにはたくさんのお城があることでも知られています。
フランソワ1世は王位即位直後から、この川沿いにあるブロワ城(上記地図の緑の星印)で多くの時間をすごしました。
そして、狩りをするために滞在したのが、ボルガール(Beauregard)という名の小さなお城です(上記地図の赤印)。
ちょうどブロワから5キロほどのところにあります。
お城の庭の林を歩いていると、何やらパネルのようなものがぶら下がっています。どうやらクイズを解きながら散歩できるような仕掛けがしてあるようです。
「“フランソワ1世のシンボルはなんでしょう?” サラマンダーだよ!」
サラマンダーとは、トカゲのようなドラゴンのような姿をした架空の生き物。サラマンダーと言えばフランソワ1世、フランソワ1世と言えばサラマンダーというくらいにフランスでは有名なようです。
散策を楽んでいらっしゃるこの方々はスイス人のカップルだそうです。
フランソワ1世は、即位後まもなくミラノ公国を巡ってスイスと戦い勝利した王様でした。
「ベネチア人の助けがなかったら勝てなかったと思いますよ」と奥様。
「スイスには加勢してくれる国がなかったんですな。そうでなきゃ五分五分だったんですがねえ」とご主人。
そんな王様がたびたび立ち寄ったボルガール城の現在のオーナーがこちらのカップルです。
お城はルネッサンス様式のこじまりとした建物です。
このお城の目玉が、二階にある肖像画の飾られた長い回廊。フランソワ1世の死後に城主となったポール・アルディエによって作られました。
「肖像画は全部で300枚あります。そのうち48枚がフランソワ1世の肖像画です。これらを見るとヨーロッパの歴史がわかります」
フランソワ1世は、1525年にイタリアの覇権を巡ってカール5世(神聖ローマ皇帝兼スペイン王)と戦いますが敗戦。捕虜となり1年間スペインに幽閉されてしまいます。
「この時、王の母親が、息子を解放する代わりに孫2人を渡すという決断をしたのです」とガイドの女性。
「女性の活躍で歴史が作られるというのはたびたびありますね」とツーリストの男性。
さて、もう一つのお城がヴィルサヴァン城です(Villesavin)(上記地図の青印)。
シャンボール城のモデルになったとか。
ここにはあのサラマンダーの彫刻がほどこされています。その彫刻のある建物で王様は宿泊したようです。
「ここを見学してからシャンボール城を見学するとわかりやすいのかもしれません」と見学の女性。
このお城を建てたのがジャン・ル・ブルトン。王様と一緒にスペインに幽閉されていた人物です。
そして、シャンボール城の建築を監督したのもこのジャン・ル・ブルトンでした。
「この方向の9キロ先にシャンボール城があります。ジャン・ル・ブルトンはこの城にとどまり、シャンボール城の建築の様子をここから見守っていたのです」
ヴィルサヴァン城の台所やいくつかの部屋は16世紀のままに残されているそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、結婚5周年を記念して、元お城の豪華ホテルにやってきた。部屋に入ると夫がリュックの中からプレイステーション4を取り出した。夫いわく『ここのテレビはどれもフルハイビジョンなんだ。使わなきゃ損だもんね』」
VDM (Vie de merde)より
コメント 0