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フランス時代のダ・ヴィンチ 前編 [サントル・ロワール地方]

 以前の記事でフランス国王フランソワ1世の特集をしたことがありますが、シリーズの最後に登場したのが“マリニャンの戦い”です。

 

 今からちょうど500年前の1515年、国王に即位したばかりのフランソワ1世がミラノ公国の覇権を巡って勝利したのがこの戦いです。

 

 ミラノ公国を手に入れたフランソワ1世は、王のお抱え画家として、またエンジニア及び建築家としてレオナルド・ダ・ヴィンチをフランスに招きます。

 

 当時64歳という高齢にもかかわらず、ダ・ヴィンチはラバにまたがり、使用人と弟子と描きかけの絵3点とともにアルプスを越え、はるばるフランソワ1世の居城アンボワーズ城へやってきます。

 

 今日と明日の2回に分けて、このフランスでのダ・ヴィンチについて紹介します。

 

 本日は、まずダ・ヴィンチが晩年を過ごした場所を訪ねてみましょう。

Paris_Amboise.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年9月6日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 ロワール川の岸辺に建つアンボワーズ城。国王の住まいにふさわしいりっぱなお城です。

 

 このお城の中にある小さな礼拝堂にダ・ヴィンチは眠っています。

 

 「ロワールのお城とは、亡霊のための乗り物のようなものです。亡霊というのはフランスの国王や女王であり、もちろんダ・ヴィンチのその中に入ります。しかし彼はいつも新しい時代の人なんです。彼の作品は近代の生活とつながっているのです」とお城の管理者。

 

 このあごひげを生やした方がダ・ヴィンチをフランスに呼んだ張本人です。

 

 ダ・ヴィンチは晩年の3年間をこのクルーの館で過ごしました。

 

 案内してくれるのはダ・ヴィンチおたくで知られる作家のゴンザグさんです。

 

 なんとこの方の一族がクルーの館のオーナーで、ゴンザグさんはここで育ったそうです。

 

 館の中は博物館になっていて、ダ・ヴィンチにちなんだ品が展示されています。

 

 「ダ・ヴィンチは才能に溢れた人で、様々なものを発明しました。今でいうところの、飛行機、自動車、さらにはエアコンまで発明したんです」

 

 アニメーションに登場した空飛ぶ翼は今のハンググライダーそっくりです。

 

 ダ・ヴィンチの発明品は当時の技術の限界を超えるものばかりでした。

 

 「これは戦争で使う戦車です。さらに潜水艦なんてなかった時代に装甲した船も発明していました」

 

 アニメーションをみるとどんな仕掛けになっていたのかよくわかります。

 

 しかし、唯一の問題は、当時、モーターという動力がなかったこと。

 

 ダ・ヴィンチの発明品に夢中になっていたら、お昼を告げるラッパの音がどこからか聞こえてきました。

 

 厨房を尋ねると・・・この方、フランソワ1世を巡る旅シリーズにも登場したシェフではございませんか!

 

 フランソワ1世の時代の食事を再現して食べさせてくれるお店のシェフです。

 

 お料理だけでなく雰囲気も再現してくれるみたいです。

 

 最後に、またクルーの館へ戻ってきました。

 

 「この館の秘密を一つお教えしましょう」そう言って地下へ入っていくゴンザグさん。

 

 「この地下道はアンボワズ城とつながっています。フランソワ1世は、折に触れここを通ってダ・ヴィンチに会いに来ていました。そして、人生の先輩であり尊敬する哲学者でもあったダ・ヴィンチの話に耳を傾けていたのです」

 

 ダ・ヴィンチはクルーの館で息を引き取りますが、その時の様子を描いたのがこのアングルの作品です。

 

 ベッドの傍らにフランソワ1世が描かれていますが、実際には国王はいなかったそうです。

 

 そして今、クルーの館の中をあのドローンが飛び回っています。

 

 これを見たらダ・ヴィンチは大喜びしたかもしれません。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、レオナルド・ディカプリオがパリにやってきた。偶然その場に居合わせた私は女の子たちの集団に紛れ込み近くまで行くと興奮して『レオ〜!』と叫んでしまった。私は40歳。学校で教師をしております[あせあせ(飛び散る汗)]

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 2

opas10

天才は必ず常人とは違う「〇〇狂」のメンタリティを抱えているので、天才を理解できる人も、心の内に「狂」の部分があるはずです。フランソワ1世にとって、ダビンチは尊敬する哲人でもあり、同じメンタリティを抱えた同士だったのかもしれませんね。
by opas10 (2015-09-14 23:53) 

carotte

opas10さん
この二人の関係を深く追求したら面白いかもしれませんね。ダヴィンチはやっぱり天才ですよね。それを良く理解したフランス国王とはいったいどんな人物だったのかなとも思います。
by carotte (2015-09-22 11:05) 

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