バカラ博物館 [メイド・イン・フランス]
シリアはもうぐちゃぐちゃになってきました。これから一体どうなるんでしょ?
さらに、シリアと国境を接するトルコは、ロシアの戦闘機2機がトルコの空域を犯したとしてロシア大使を呼びつけ厳重注意したとか。
なんだか火の粉が飛び散って妙なことに発展しないといいのですが・・・。
それはさておき、フランスのクリスタルガラスで有名なバカラ。
この2年ほどリニューアルの工事で閉館していたバカラ博物館が、昨日の水曜日にリオープンしたそうです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年10月7日に放送)
1764年にフランス国王ルイ15世がロレーヌ地方の小さな村バカラ(Baccarat)にガラス工場を設立したのが今のバカラの始まりです。
以来、職人さんたちの高度な技術は250年にわたって伝えられてきました。
この三人の男性もその匠の技を受け継いできた優秀な職人さんたちです。
「私は“熱い”仕事で、この二人は“冷たい”仕事です」と真ん中の男性。
ということは、あの火だるまのようなガラスを相手に仕事をしているのが真ん中の男性で、両側の二人は、出来上がったクリスタルをカットしているということのようです。
ここがリオープンした博物館です。約100点ほどの見事なクリスタルが展示されています。
そのクリスタルを作り続けてきたのが村にある工場です。
なんだか工場の窓がクリスタルに見えてきます。ここは昼夜を問わず作業が行われているそうです。
すべてはこの“熱い”仕事から始まります。
「ガラスは固いですが、ここではこうしてハサミで切ることができるんです」と職人さん。
こういう仕事は経験を積まないとできませんね。グラスは物差しを使ってサイズを測ってました。
こうしてできたグラスは次に“冷たい”仕事の職人さんたちに渡されます。
この明るい部屋ではカットが施されます。
下書きのとおりにカットされるグラス。集中力のいる繊細な仕事です。
“熱い”職人さんも“冷たい”職人さんもきりりとした表情で作業をしていました。
こうして作られてきたクリスタルを展示しているのがこの博物館です。
展示室の中央には、クリスタルの食器を使ったロシア皇帝の食卓が再現されています。
「1900年頃には、ロシア皇帝ニコライ2世のためにアトリエが用意され数々のクリスタルが制作されました」と博物館の方。
ここには250年のクリスタルの歴史がつまっています。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日は私の彼の誕生日。プレゼントは20世紀初頭に作られたクリスタルのウィスキーグラス2個。そっと箱につめ、綺麗な包装紙で包んで彼に渡した。すると彼が『何が入っているのかなあ〜』と言いながら箱を揺さぶり始めた」
VDM (Vie de merde)より
『フランス人のつぶやき』いつも、クスッと笑ってしまいます。
by kiki (2015-10-08 15:43)
kikiさん
毎回ヒットというわけにはいかないですが、笑っていただけたら嬉しいです。
by carotte (2015-10-08 16:45)
バカラのグラスは、やはり格別の美しさがありますね、1ペア持っていますが、畏れ多くて滅多に使えません(^^ゞ。
この素晴らしい技巧を誇る職人技がどうやって伝承されているのか、組織のナレッジ共有の仕組みとして、とても興味があります。
by opas10 (2015-10-14 23:43)
opas10さん
おお、お持ちでしたか!やはり何か特別のことでもないと使わないですね。
アトリエでの職人さんたちの引き締まった顔が印象的でした。平凡な言い方かもしれませんが、一人一人の誇りと自覚が会社を支えているのかもしれません。
by carotte (2015-10-16 13:29)