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冬の郷土料理 その4 [フランスの郷土料理]

 シリーズの四回目は、フランス西部のブルターニュ地方へと向かいましょう。

 

 西の端にあるフィニステール県の名物料理がキッグ・ア・ファール(Kig ha farz)。

 

 ブルターニュ語で“肉とそば粉”という意味の料理です。

 

 今日はこの料理を星付きレストランのシェフが作ってくれます。

Paris_Finistere.jpg




 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2014年11月13日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック!)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



VIDEO. Le Kig ha farz, un plat d'hiver aux saveurs d'autrefois

 

 フィニステール北部の海岸。岩がゴロゴロしています。

 

 この地方の料理キッグ・ア・ファールに欠かせない食材がキャベツ。

 

 マルクさん一家は何世代も前からここでキャベツを作ってきました。

 

 しわしわのキャベツは有機栽培です。

 

 「この辺りでちょっとした広さの畑があればキャベツが栽培されています。キャベツがなければキッグ・ア・ファールもありませんからね」とマルクさん。

 

 そして、もう一つ欠かせないのがそば粉。

 

 マリー・ロールさんは数年前からブルターニュでは消えかけていた種類のそばを栽培し、こうして製粉しています。

 

 「これがブルターニュ地方のそばです。ちょっと黒みが強いでしょう」とマリー・ロールさん。

 

 そばの実は7段階の工程を経て、このような粉になります。

 

 「キッグ・ア・ファールは皆に食べられています。なぜなら子供の頃に食べたことがあるからなんです。つまり、皆、おばあちゃんが作ってくれたキッグ・ア・ファールの味を求めて食べるんです」

 

 次はいよいよ星付きレストランの厨房でシェフがキッグ・ア・ファールを作ってくれます。

 

 シェフが市場で材料を手に入れてきました。キャベツ、玉ねぎ、ニンジン、エシャロット、そして冬の野菜+ルタバガ、さらにバターとそば粉等々。

 

 お肉は、牛肉、豚バラ、スネ肉。

 

 まずは卵を溶いてそば粉を入れたら、生クリームを加えながら混ぜていきます。さらに牛乳も加えます。

 

 「昔から続いてきた料理を作り続けるのは楽しいことです。この料理は家族全員で仲良く食べる料理でもありますからね」とシェフ。

 

 こうしてできた生地を布袋に入れ紐で閉じたら、水を張った大鍋に入れ、野菜などの他の食材と一緒に3時間煮込みます。

 

 その間、レスヌヴァン(Lesneven)にある郷土史料館を訪ねてみましょう。

 

 「キッグ・ア・ファールは貧しい人たちにとって日曜日のご馳走でした」と史料館の方。

 

 レストランの厨房に戻ると、キッグ・ア・ファールが出来上がっていました。

 

 鍋から全部の具を取り出します。袋の中で茹で上がったそば粉は手でつぶしてポロポロにします。

 

 これをお皿に盛りつければ、あとは食べるだけです。

 

 「この料理には豊かな歴史が詰まっていますが、カロリーも豊かなんです。何しろ、労働者が一日を一食で済ませるために生まれた料理ですからね」とシェフ。

 

 星付きのレストランとなると盛り付けもどことなく美しいですね。

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、隣人がやってきて、日曜日に工事をするのは禁止だから、壁に穴をあける作業はやめてくれと言われてしまった。僕はスープを作るために野菜をミキサーにかけていただけだったのに」

 

VDM (Vie de merde)より




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