世界の宮殿を巡る旅 その1 [その他の国]
今年も今日を入れて後5日で終わり。
有終の美を飾るべく、今日から4回のシリーズで世界の美しい宮殿を巡ります。
第一回目の今日は、ドイツのポツダムにあるサンスーシ宮殿(Schloss Sanssouci)を訪ねます。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2015年12月14日に放送)(映像が出てこない場合は、ウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
Feuilleton : Aux portes des Palais (1/5)
朝もやの中、広い庭園の階段を上り詰めると現れるのがロココ様式の宮殿。
完成したのは1747年です。以来、建物を始め庭園の隅々に至るまで手入れが続けられてきました。
庭の広さは300ヘクタール。一年を通して国内外からの見学者が絶えません。
「この地域では一番美しい庭園です」と女性。
「建物もロマンチックですね」と連れの男性。
「噴水のこの位置から宮殿を眺めると、過去に向かって時間を旅しているような気分になりますよ」と男性。
サンスーシ宮殿はプロセイン王国国王のフリードリヒ2世が夏の離宮として建てさせた宮殿です。
王はこの宮殿を“小さな貯蔵庫”と呼んでいたそうです。そして、自ら庭の設計を行いました。
テラスが階段上に並ぶ庭は王の手によるもので、現代もなお造園師を魅了しています。
「これは“知識の道のり”を表しているのです」と造園師。
全てが計算し尽くされて造られた宮殿。
「庭と宮殿は結合体なのです。どちらか一つでは成り立ちません」
上空から眺めると全体の作りが良くわかります。ベルサイユ宮殿とは違い、コンパクトにまとまった宮殿のようです。
次は宮殿の中に入ってみましょう。
「ここは庭付きの家という感じのところなんです」と係りの方。
まず案内してくれたのは音楽サロン。
フリードリヒ2世は音楽好きで、自らもフルートを吹いたり作曲したりしていたそうです。
そして、この部屋で音楽会を開いていました。
招待客には国内外からの知識人が集められていました。
その中にはフランスの哲学者ヴォルテールが含まれていたそうです。
そして会話は全てフランス語で行われたとか。
次に案内してくれたのが国王専用の図書室。普段、見学者には公開されていない場所です。
王様の図書室となると並の作りじゃないですね。この豪華さ。
収蔵されている図書は全てフランス語で書かれています。
「国王にとってフランス語は考え方を表現するための言葉、会話をするための言葉だったようです。一方、ドイツ語は、軍隊や側近に命令を出したりするための言葉だったのです」
フリードリヒ2世はこの宮殿が気に入っていましたが、王妃の方は一度もここを訪れたことはありませんでした。
実際、女性はあまり歓迎されなかったようです。
ちなみにサン・スーシ(sans souci)はフランス語で「心配事がない」という意味。
「国王は女性にはあまり興味がありませんでした。王妃はベルリンにいて、国王の友人たちから哲学の授業を受けていたと言います」
国王の遊び心をうかがわせる建物が、中国風のあずまややオレンジやレモンの栽培用温室です。
「これだけの植物を集められるのはお金持ちだけです。当時は大変な贅沢でした」と温室担当者。
フリードリヒ2世は、自分が死んだら宮殿も終わりになるだろうと言っていたそうです。
しかし、こうして今もその美しい姿を訪れる人々に見せています。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、就職の面接試験の日。面接官が数分遅れてやってきて僕に詫びた。で、僕は答えた。『心配は要りませんよ、良くわかります。僕なんてしょっ中遅れてますから』しまった!と言ってももう遅い」
VDM (Vie de merde)より
これは美しい!カタブツの王が造った、遊びゴコロ満載の庭園なんですね。
by opas10 (2016-01-01 13:33)
opas10さん
この宮殿、名前だけは知っていたのですが、どんなところかはこのビデオを見て知りました。本当に美しい宮殿です。しかもコンパクトにまとまっているところがいいですね。
by carotte (2016-01-01 18:13)