世界の宮殿を巡る旅 その4 [イタリア]
シリーズの最後は、またヨーロッパへ戻りましょう。
水の都ヴェネツィアにある、数ある宮殿の中から、ロッカ宮殿を訪ねます。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2015年12月17日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
カナル・グランデの岸辺に並ぶ歴史ある建物。
パラッツォと呼ばれるこの建物は、ルネッサンスの時代から貴族の住まいとして使われてきました。
運河の橋を渡っているのがレオナルド・ロッカさん。
今でもこのパラッツォ に住む貴族の末裔です。世が世であれば伯爵だとか。
このゴシック様式とバロック様式の混在するパラッツォがレオナルドさんの住むロッカ宮殿。
宮殿と言うより屋敷と言った方がいいような・・・。
中庭の玄関から階段を上がると住まいになっています。
やっぱり宮殿と言っても不思議ではない作りになっていました。
レオナルドさんは両親と一緒にこの宮殿で暮らしています。昔と変わらず使用人付き。
「五世代にわたって続いてきた家族の伝統的な暮らしを続けてこられてとても幸せです」
レオナルドさんのご先祖様はゴンドラに乗ってこのベネツィアにやってきたそうです。
「ここでパラッツォを維持していくのには大変な費用がかかります。ですから売却せざるをえないというのが実情です。そんな中で私たちは今もこうして守り続けているんです」
レオナルドさん、維持費を賄うために、こうして見学者を受け入れています。
少数の見学者を丁寧に案内します。その分、見学料はちょっとお高め。
まずは玄関から見学開始。
「こちらにあるのが“真実の口”です。一般市民が町をよくするために総督に訴えたいことや提案したいことがあれば書面にしてここに入れたのです」とレオナルドさん。
「私もちょっと書いてきたので入れてもいいですか?」と見学者。
階段を上がっていよいよ中に入ります。
「まあ、素晴らしいわ。私が想像していた通りのヴェネツィアの宮殿だわ」と女性。
「ここはボールルームです。どの総督の住まいとも同じように、ボールルームは豪奢な作りになっています。人々を招待してパーティを開くために使われますから、どれだけ財力があるかを知らしめる部屋になっています」
そしてヴェネツィアのパラッツォには、ボート専用の出入り口があります。
「ここからボートに乗って買い物に出かけられるようになっています」
「ここはすごくいいロケーションですね。カナル・グランデの端からサンマルコ広場まで見渡せます。途中にはリアルト橋もありますしね」と見学の女性。
夜になるとロウソクに明かりが灯され、アペリティフのシャンパンが振る舞われます。
さて、ロッカ宮殿には見学者には公開されていない部屋があります。
螺旋階段を上がった先にあるのが・・・この部屋。
「ここは、私たちの曽祖父の召使が使っていた部屋で、最近修復されたばかりです。我々一族には専用の船頭がいたんです。今で言えばお抱え運転手ですね。今はもうそういうのはありませんから、自分たちの足で歩いてますよ」とレオナルドさんの叔母さん。
この部屋には秘密の扉があります。その扉を開けて上へ上がると、屋上に出られます。
ここからは街が一望できます。素晴らしいパノラマ。
貴重なパラッツォのロッカ宮殿、これからも傷まないように守っていって欲しいですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、クリスマスプレゼントだと言ってお隣さんがスモークサーモンをくれた。お返しになるものがなかったので、仕方なくとっておきのシャンパンをプレゼントした。いざスモークサーモンを食べようとしたら賞味期限が過ぎているのに気がついた」
VDM (Vie de merde)より
これだけのお屋敷というか宮殿を維持して、なおかつ召使も雇って生活するにはかなりの費用がかかるでしょうね。でもレオナルドさんの容貌は、王侯貴族ややり手の商人というよりもちょっと芸術家っぽいような(笑)
by opas10 (2016-01-01 20:38)
opas10さん
おそらくこの一族は経済的に安定してるんでしょう。でないとこう言う生活はちょっと厳しいですよね。レオナルドさん、独特の雰囲気を持った若者です。やっぱりビジネスマンというよりアーティストですね。
by carotte (2016-01-02 21:11)