旅する絵画 [フランスのお宝]
フランスを訪れる日本人観光客の数は、前年度に比べて19%減だそうです。
ある日本の旅行会社によると2014年にクリスマスをフランスで過ごした観光客が160人いたのに対し、2015年は100人程度だったそうです。
明らかに11月の連続多発テロ事件の影響ですね。あのテロ事件の惨状はかなりショッキングでした。
一方、フランスから海外へ旅する絵画は年々増加の一途をたどっているとか。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年1月24日に放送)(▸をクリックして映像が出て来ない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
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Musées français : l'export pour mirux rénover
ルーブル美術館、オルセー美術館、マルモッタン美術館などに収蔵されている名作は、これまでになく海外へ出て行く頻度が多くなったそうです。
例えばクロード・モネの「日の出」は東京へ、ブランリー美術館の「Tatoueurs tatoués(入墨した入墨師)」はシカゴへ、ゴーギャンの名作はリオへ、そしてルノワールは東京へ、といった具合です。
「中国人の多くがフランスに来るような機会はありませんが、もし絵画が中国にやってくるようだったら沢山の人が見に来ると思いますよ」と中国人女性。
「モナリザが各国を回ってくれるんだったらありがたいことです。特にアメリカ人は大喜びしますよ」とアメリカ人男性。
モナリザは1963年にアメリカに渡ったことがあります。
モナリザがフランスを出たのはこの時が初めてでした。
当時、アメリカでは大統領夫妻が、フランス国家の流れる中、歓迎したそうです。
この次にモナリザが旅したのは東京でした。1974年のことでした。
私も会場の国立西洋美術館に見にいきました。ものすごい人で鑑賞するどころの騒ぎではなく、文字通り“見た!”という感じでした。
この“旅する絵画”たちが、今では美術館の大きな収入源になっているそうです。
維持費の確保が難してくなっている昨今、収蔵品を海外に出すことでその分をカバーしているのだとか。
オルセー美術館に展示されているこれらルノワールの作品も間もなく東京に向けて送られるそうです(「ルノワール展」2016年4月27日〜8月22日 国立新美術館)。
このような絵画の貸し出しにより、これまで1,100万ユーロが美術館の収入になっています。
サウジアラビアのアブダビにはルーブル美術館の分館ができ、ルーブル美術館所蔵の作品300点余りが展示されることになっています。
その中にはレオナルド・ダヴィンチやゴッホの作品も含まれています。
これにより美術館に入ってくるお金は4億ユーロにもなるとか。
経済の低迷するフランスにおいて、こちらは不況知らずですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、両親と一緒に美術館に行った。入場料を払いたくない両親は、18歳の私を11歳と偽って入ろうとした。それで通ると思うのは親だけなり」
VDM (Vie de merde)より
絵画の価値は変わらないどころか、時代がたてばむしろ価値が上がったりしますよね。そして、お金のあるところに絵画が流れてゆくのも自然なことで。
by opas10 (2016-02-04 22:03)
opas10さん
そういう意味ではフランスにはお宝がたくさん集まっています。日本もバブル期に色んな企業が買い集めたと思うのですが、不況で皆売っぱらってしまったかも。
by carotte (2016-02-07 14:50)