今年200歳 [トピックニュース]
今年200歳の誕生日を迎えた医療器具があります。
200歳ということは1816年生まれということになりますが、今でも病院へ行けば必ずお目にかかる道具です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2016年3月11日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
Santé : le stéthoscope, un outil français révolutionnaire qui fête ses 200 ans
「それではちょっと診てみましょうね。大きく息を吸って〜」とお医者さん。
200歳になったのはこの聴診器です。
こちらの男性、喘息を患っておられます。聴診器をあてるとこんな感じで聞こえてきます。
「聴診器をあてて、一度聞けば大体の様子がわかります」と医者のニコラさん。
病院には絶対に欠かせない医療器具は、お医者のシンボルにもなっています。
ここはブルターニュ地方の都市カンペール(Quimper)にあるラエンネック病院。
聴診器を発明した医師ルネ・ラエンネックの名前が付けられています。
ここは彼の生まれ故郷。教会の前の広場にはその銅像も立っています。
しかし、地元の人たちの反応は・・・。
「あの銅像ですか。誰だっけ?」と男性。
「そう言えば、病院に欠かせないものを発明した人じゃなかったでしたっけ?」と女性。
「聴診器よ!」と通りすがりの女性。
やっと正しい答えが返ってきました。
この方がそのラエンネック先生です。
パリのネッケー病院に勤めていた頃に聴診器を思いつきました。
その時の様子が映画のワンシーンになっています。
子供達の遊び道具になっていた長い木製の筒。端をこすると、もう反対側の端でその音がはっきりと聞こえてくるではありませんか!
これだ!というわけで、ラエンネック先生が作った聴診器がこの筒でした。
紙を丸めただけのシンプルな道具。その後、自身で木を削って作ったのがこの木製の筒です。
こうして病人の体の音が聴けるようになったラエンネックは、聞こえてきた様々な音を一冊の本に記録していきました。
例えば、“ぜいぜいいう音は主に4種類ある。湿った音、火花がパチパチいうような音、乾いた音、唸るような音”。
この本は今でもお医者さんたちの参考書になっているそうです。
しかし、パリでラエンネックがこれを発明した当初は真面目に取り合ってもらえなかったそうです。
「ラエンネックはブレスト(ブルターニュ地方の港町)の船乗りたちにこの聴診器を教えました。この船乗りたちが旅をする間に聴診器を世界に広めていったのです。パリではそんなことになっているとは誰も知らなかったのです」とラエンネックの伝記の著者。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、6日間の入院の末やっと退院した。うちの猫を避けそこなって足に怪我をしたのだ。当然、猫も動物病院に入院していた。家族はあっちの病院に通い詰めだった」
VDM (Vie de merde)より
アナログな方法は、200年たっても変わらないんですね~。
by opas10 (2016-03-20 22:50)
opas10さん
高性能になったとはいえ、耳で聞くというアナログな方法は今もまだ生き続けていますね。
by carotte (2016-03-21 23:23)