オルセー美術館 その1 [パリ]
今日から5回のシリーズでオルセー美術館を訪ねます。
オルセー美術館はかつて駅だった建物を改築して造られた美術館です。
主に印象派の作品を展示していることで知られています。
そして、パリに行ったら必ず訪れたい観光の名所でもあります。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年3月14日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
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Feuilleton : dans les coulisses du musée d'Orsay (1/5)
セーヌの岸辺に建つ重厚な建造物。それがオルセー美術館です。
ゴッホ、セザンヌ、クールベなど、数々の名作の展示された館内は、見学に訪れる人たちで絶えず賑わっています。
大勢の見学者を受け入れるためにこの美術館を支えているスタッフの数は500人にものぼります。
実際に絵画の管理を担当している学芸員は6人。その中の一人がポールさんです。
今日は、展示作品20点ほどを入れ替えます。
「作品を運ぶのは大変な仕事ですね」と取材班。
「それほどでもないですよ。ちゃんとした台車に載せてますし、作品の間には保護用の板も挟んであります」とポールさん。
今回は、個人のコレクションで1973年に国に寄贈された作品を、その価値がわかるように展示すること、それがポールさんの任務です。
まずはこうやって展示位置を決めていきます。
「このゴーギャンの作品『ブルターニュの農婦』がコレクションの目玉です。あちらのメインの壁面に飾ることになります」とポールさん。
美術作品の深い知識と愛情があってこその仕事です。
「ピサロとゴーギャンの作品が並んでいるのが面白いです。このコレクションにはピサロの作品が数多く含まれていますが、若い頃、二人は親しく付き合っていましたからね。ゴーギャンにとってピサロは初めての先生のような存在でした。そのおかげで画家としての基礎を身につけることができたんです」
さて、もう一つ注目を集めている場所があります。
美術館の中にある修復のためのアトリエです。
全面ガラス張りのアトリエで二人の修復師が絵画を修復している様子を見学することができます。
この作品、修復作業が始まってすでに4ヶ月が過ぎているそうです。
「何度もオルセーに来ていますが、こう言うのを見るのは初めてです。とてもいいアイデアだと思いますよ」と女性。
「修復後の作品は埃が取れて光り輝いているように思います」と別の女性。
そこへやってきたのがアーティストとその生徒たち。
こうして月に数回、見学に来るそうです。
本日向かった先はゴーギャンの作品「アレアレア(愉び)」。
「この絵の中にはちょっとびっくりするようなものが描かれています。オレンジ色の犬って見たことある?」と先生。
「ない!」と子供たち。
「これがこの絵の特徴なんです。ゴーギャンはいつも色を発明しながら絵を描いていました。ちょっと夢の中で見るような色合いですね」と先生。
その間も倉庫に保管されていた作品が展示室へと運ばれていきました。
次回に続く・・・。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、中学の教師をしている。生徒たちに背が低いことでいつもからかわれている。今朝、黒板の一番上に生徒の誰かが『消せるものなら消してみよ』と書いていた」
VDM (Vie de merde)より
子供たちに見どころを解説して見学するっていいですね。日本のように、よくわからずに連れてこられて、静かにお行儀よく見なさい、って言われたらどんな子供だって興味を失いますし。
by opas10 (2016-03-26 17:11)
opas10さん
アーティスト兼先生は子供たちは上手に説明していました。これくらいの少人数で鑑賞するのがいいんでしょうね。大勢で押しかけて行って体育座りさせられて観るよりずっといいですね。
by carotte (2016-03-30 14:13)