春に仕込むワイン [フランスのワイン]
東京は昨晩9時過ぎに雷を伴った大雨に見舞われました。
雨は20分ほどで上がりましたが、ちょっとすごかったです。
その後も雷はしつこく鳴り続けていました。春雷とはまさにこのこと!
夜桜を楽しんでいた方々は大変だったでしょう。
さて、本日はワインのお話です。
ワインの仕込みといえば、一般的にぶどうを収穫する9月から10月に行われます。しかし今日紹介するワインの仕込みは3月。もちろん昨年9月に収穫したぶどうを使います。
収穫から仕込みまで6ヶ月もありますが、どうなっているんでしょう?
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2016年3月26日に放送)(▸をクリックして映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
Découverte : des vendanges en intérieur, au printemps
ここは、ワイン農家Maison Gloeckler-Brennerの屋根裏部屋。
9月15日に収穫されたブドウがこうして天井からぶら下げられています。
よく見るとブドウは水分が蒸発してシワシワになっています。
収穫時には1,200キロあったのが、6ヶ月後には60%も減ってしまうとか。
「乾燥しながらもブドウはその性質を保ったままなんです。というのも、水分だけが蒸発して、酸味や糖分は残るからです」とワイン農家のローランさん。
春になると一家総出でワインの仕込みに当たるそうです。
このちょっと変わったワイン作りは中世の頃から行われてきました。
乾燥させたブドウをプレスして、その果汁でワインを作りますが、何しろ水分が40%しか残っていませんから一滴一滴が大切です。
「プレスして約1日半このままにしておきます。何しろブドウの果肉がゼラチン状になってますから果汁が取り出しにくいのです」と息子のリュックさん。
因みに普通のブドウなら3〜4時間で済むそうです。
こうして毎年200リットルほどのワインが出来上がります。
このブドウを乾燥させて作るワインのことをヴァン・ドゥ・パイユ(vin de paille)と言います。vinはワイン、pailleは藁。
かつてはブドウを藁の上にのせて乾燥させていたそうです。
ヴァン・ドゥ・パイユは以前にも当ブログで紹介したことがありますが、乾燥期間は1ヶ月半くらいでした。6ヶ月間も乾燥させるのは初めて見ました。
だいたい秋分の日から春分の日まで屋根裏で乾燥させることになります。
この農家では、こうしてできた甘酸っぱいワインをMuscat sur filという銘柄で販売しています。
このワイン、ワイン全体の製造量の0.2パーセントほどしかありません。
その希少価値が影響してか値段は通常のワインの6倍もするそうです。
手がかかってますから高くなるのも仕方がないのかもしれません。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、そしていつものことだが、僕は年齢よりずっと若く見える。食事を配ってくれた客室乗務員が私を見るなりワインを持って行ってしまった。僕は33歳だよ!」
VDM (Vie de merde)より
NHKで、前線の通過によるものが春雷であり、厳密には春雷ではない、と放送していました。
一般には、春の雷は、春雷ですよね。
by とし@黒猫 (2016-03-29 12:14)
とし@黒猫さん
そうらしいんですよ。ひょっとして同じ番組を見ていたかも。夜遅い番組でした。雨と一緒にヒョウまで降ってきましたからやっぱり一般的には春雷ですよねえ〜。
by carotte (2016-03-30 14:27)
随分と手がかかってますね、これは確かに貴重品です。相当凝縮された味わいになりそうな気がします。
by opas10 (2016-04-10 13:55)
opas10さん
ええ、手間と時間がたっぷりかかってますねえ。どんなお味なのかかなり気になります。
by carotte (2016-04-13 14:16)