フランスの最も美しい村3 その4 [ロレーヌ地方]
フランスでは労働法の改正案が提出され、それに反対する人の活動が徐々に高まって来ました。
政府はしゃにむに抑え込もうとしていましたが、デモへの参加者が増えるにつれ、それも厳しくなってきたようです。
以前、学生のデモが激しくなって、結局、政府が法案を取り下げたという過去もあるので、これからどのようになっていくか注目です。
さて、本日ものんびりとフランスの田舎を訪ねることにしましょう。
「フランスで最も美しい村」シリーズの四回目は、フランス北東部の小さな村シャティヨン=シュル=ソーヌ(Châtillon-sur-Saône)です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年5月5日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
この心休まる田園風景。村の中をソーヌ川が流れています。人口はわずかに150人足らず。
中世、ルネッサンス、20世紀と、それぞれの時代の足跡が刻み込まれた家々。
村では傷んだ建物の修復があちこちで行われています。
「ここはかつてベッドだった場所です」とダヴィドさん。
14世紀から15世紀にかけて、100年戦争やロレーヌ公国とブルゴーニュ公国の争いによって村は破壊されてしまいます。
その後、16世紀初頭あたりから貴族がここに邸宅を構えるようになります。
そして中世末期からルネッサンス期にかけて、ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方、フランシュ・コンテ地方の要所となったのです。
当時の建物が今でも残っており、村人たちによって修復作業が続けられているのです。
こちらの古そうな建物は500年前のもの。中に入ると工事現場のようになっていました。
この建物のオーナーがフェルナンさんです。
ここから70キロほど北へ行ったところにあるナンシー(Nancy)で働いていますが、こうしてせっせと修復作業に励んでいます。
「歴史があって居心地がいいんですよ。この建物を手に入れることができてよかったです」
そしてもう一人、パリからやってきたジャン=リュックさんは、15世紀頃に建てられたブルジョワ階級の邸宅を手に入れました。
修復が完了した暁にはセカンドハウスとして使用するつもりです。
「このような階段付きの塔は、貴族や商人など特権階級の家に備え付けられていました。いわばステイタスの象徴だったわけです。それと同時に、火事の際の非常口にもなっていたのです」とジャン=リュックさん。
シャティヨン=シュル=ソーヌには村の歴史を知ることのできる小さな博物館があります。
1階には昔の学校が再現されています。
黒板には「お金持になったからと言って幸せとは限らない」の文言が・・・。
昔はこんなこと子供達に書き取らせながら、言葉を覚えさせていたようです。
そして2階には昔の衣服が展示されていました。
「こちらはペストの治療のために医者が来ていた衣服です。両手を布で覆い、こんなマスクをしていました」とガイドの女性。
そして三階は、この村出身の画家ジャン・モンシャブロン(Jan Monchablon)(1854-1904年)の展示室になっています。
20世紀初頭、彼の作品のほとんどがアメリカで売れてしまったそうです。
この博物館では、寄付を募ってできるだけ作品を回収しようと頑張っているそうです。
この世知辛い世の中を忘れさせてくれるような絵でした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、僕の彼女が誕生日のお祝いに風光明媚な田舎の村を自転車で巡る旅を計画してくれた。なんて素敵な誕生日プレゼント!ただし、僕が自転車に乗れればの話だが」
VDM (Vie de merde)より
欧州では個人で古い建物を買い取って、時間をかけて修復する人が結構いるんですよね。不動産といえば転売目的などこかの国では、やはり古い建物は残りにくい状況なのでしょうね。
by opas10 (2016-05-29 12:53)
opas10さん
欧州では自分でコツコツ修復する人が多いですね。そういうのの影響で日本でも古民家を買い取って再利用する動きも出てきましたが、まだまだです。
by carotte (2016-06-05 15:27)