600年前からお金持ち [イタリア]
ルネッサンス期に繁栄を遂げたイタリアの都市フィレンツェ。
当時、財をなした一族の多くは今も経済的に豊かなケースが多いとか。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年5月31日に放送)(▸をクリックしても映像が出て来ない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
ここはフィレンツェの古書保管室。貴重な古書が並んでいます。
その割には取り扱いがちょっと乱暴な・・・。
それはさておき、ここにあるのがフィレンツェで最も古い納税記録台帳。
いつのものかと言えば、1427年、今からざっと600年前のものです。
中を開けてみると手書きの文字が並んでいます。
「ここにフィリッポ・ディ・フランチェスコ何某という人物のものがあります。職業は農業ですが、多くの土地や家を所有しており、それで収入を得ていたことがわかります。そして、彼が結婚して子供が数人いたことも書かれてあります」と責任者の方。
この古い台帳と2011年の台帳を研究者が調べているうちに、600年前にお金持だった人々が今も同じようお金持であることに気がつきました。
その一族の名は明かされていませんが、かつての大富豪の子孫は代々受け継がれてきた祖先の屋敷で裕福に暮していることがほとんどだとか。
そのような一族の一つがアンティノリ家です。
「この絵に描かれているのが私どものご先祖です。我が家の家業には長い歴史があり、1385年にまで遡ります。そして私は26代目になります」とピエロ・アンティノリ侯爵。
アンティノリ家の家業とは、ワイナリーMarchesi Antinoriでした。
600年前にフィレンツェに君臨していたワイナリーは、現在もトスカーナのキャンティ地域に3,000ヘクタールものぶどう園を所有し、高級銘柄のワインを製造していることで知られています。
600年以上もこうして繁栄を続けていくためには、単に家業を絶やさず継承するというだけではないようです。
「私どもは、この豊かな財産の “所有者” だとは思っていません。先祖から受け継いできたものの “番人” なのだと思っています」と侯爵。
壁に飾られているのは家系図でしょうか?
研究によれば、豊かな財産を残していくことが次の世代を守ることであり、同時にその財産を上手に管理していく方法も伝える、というのが一族の伝統として継承されているのだとか。
このアンティノリ家でも侯爵の孫たちが家業のイロハを学び始めているそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、僕がパリジャンの彼女と付き合っていることで両親に責め立てられた。というのも、わが家は何世代にもわたって純粋にブルターニュ出身者で、それを受け継ぐのが義務なのだとか」
VDM (Vie de merde)より
「所有者でなく番人」とは含蓄の深い言葉!ポッと出の成金と違って、さすが何代も続いてきたお金持ちだけあって哲学がありますね~。
by opas10 (2016-06-04 11:20)
opas10さん
26代目、なんていうのかなと思ったら、さすがでした。
こういう哲学がないと600年も続かないですねえ〜。
by carotte (2016-06-15 16:46)