再生への一歩 [地方の小さなできごと]
フランス南部ロゼール県のマルヴジョル(Marvejols)。人口5000人足らずの小さな村です。
先週末、暗いイメージを払拭するため、村人総出で村の模様替えが行われました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2016年6月12日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない時はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
Lozère : Marvejols a organisé une journée citoyenne pour redorer son image
ここがマルヴジョル村。
フランスの小さな村で見かける風景とあまり変わりがありません。
しかしよく見ると、ペンキでカラフルな絵を描く女性がいます。
この方、“マルヴジョルに新しいイメージを!”という村の呼びかけに応えてここにやってきました。
「少し村をキレイにしようと思ってね。こうすれば心も明るくなるから」
運動に参加したのはこの女性だけではありません。
こちらでも、あちらでも、大人も子供も、ペンキと刷毛を手にがんばっています。
そして建物の修繕も行われました。
「ちょっとネガティブな事件が起きてしまいましたから、今度はポジティブになりたいんですよ。ですからこの活動に参加しました」と女性。
ネガティブな事件って一体何があったのでしょう?
実はこの村、ものすごい赤字を抱えているのでした。
2014年、選挙で新しい村長が誕生したことにより、翌年の5月、村の赤字が1,280万ユーロ(約15億7,000万円)にも達していることが明るみになります。
この赤字、前村長の19年間の任期中に積もり積もったもの。
税収や国からの分配金が減少する中、前村長が借金を重ねてしまったらしい。
少なくとも公私混同で血税を使い込んだわけではなさそう。
当時、この事件はちょっとしたスキャンダルとしてメディでも話題になったようです。
事件がここでとどまっていたらまだマシだったのですが、その年の6月1日の夜、前村長が自ら命を絶ってしまったのです。
そして、どういう理由か、新しい村長も辞任を余儀なくされてしまいました。
昨年に起きたこの暗い出来事は今も村の人々の記憶に残っています。
「昨年の出来事は出来事として区切りをつけ、新しい未来に目を向けていきたいのです。今回の活動を通じて村人たちが立ち直ってくれると信じています」と現村長さん。
「こうして村の人たちがボランティアでやってくれたら予算の節約になります。そして、協力し合えば希望も生まれて村が明るくなります」と男性。
マルヴジョル村が立ち直るのに10年はかかると言われています。
この日は再生への第一歩。団結力でがんばってほしいですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、知り合いの老人にばったり出くわした。元気かと訊くと、彼が寂しそうに言った。『お迎え来るのを待っとるんじゃよ』それで僕はもっとポジティブにならなくちゃいけない、時間はまだまだたっぷりあるんだからと言った。すると老人が言った。『迎えのバスが来るのを待ってるだけじゃ』」
VDM (Vie de merde)より
とこぞの知事と違って公私混同じゃないだけ救われますね(-_-;)
by opas10 (2016-06-26 10:39)
opas10さん
どこぞの知事は勘違いしてガンガン使いまくってましたねえ〜。
亡くなった前町長は、その父親も町長を務めていたという家柄。親の仕事を引き継いだ形ですが、ちょっと荷が重かったのかもしれません。
by carotte (2016-07-03 14:40)