ローカル線の小さな旅2 その2 [オーヴェルニュ地方]
シリーズの二回目は、フランス中央山岳地帯の南部にある峡谷を走るローカル線です。
ロゼール県のランゴーニュ(Langogne)(下記地図の青印)とオート=ロワール県のランジャック(Langeac)(赤印)を結ぶ列車は、ロワール川の支流であるアリエ川(Allier)に寄り添うように走っていきます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年8月2日に放送)
ランジャックの駅。峡谷を走る列車にお客様方が乗り込んできます。
車内はこんな感じ。賑やかですね。
まず現れたのが小さな村サン=ジュリアン=デ=シャズ(Saint-Julien-des-Chases)(オレンジ印)。
そして、アリエ川の向こう岸に見えるのがサント=マリー=デ=シャズ礼拝堂(紫印)。13世紀に建てられた教会です。
この列車、ガイドさんが車内放送で見どころを教えてくれるようです。
「まもなく、峡谷の左手、高いところにお城が見えてきます」
列車はガイドさんの説明に合わせて時速10?30キロに調整しながら走るそうです。
「人や車が入れないようなところを走って、美しい景色が楽しめるのでとても楽しいです」と男性。
「小さな村をいくつも通って走るのがいいですね。それに峡谷の素晴らしい眺めが満喫できます」と女性。
アリエ峡谷にアクセスできるのはこの鉄道だけ。建設されたのは1860年のことでした。
中央山岳地帯を通ってパリと地中海を結ぶという壮大な計画のもと建設されたそうです。
山の中にレールを引くとなると大変な工事だったに違いありません。
トンネルを数は51、鉄橋の数は16本にも及びます。
「当時はトンネルを掘るのはツルハシでしたから気の遠くなるような作業でした。5000人から6000人の作業員が工事に関わったと言われています」と観光協会の方。
この列車は1960年代のものです。鉄道愛好家たちによって修復されました。
「古い車両でこうして走れるのは嬉しいことです。この列車に乗れば歴史を感じることができます」と運転手のパスカルさん。
パスカルさんは古い車両の保存のために活動する協会の会長さんです。
「速度を上げたり緩めたりしながらのんびりと走る列車に乗るのはいい気分ですね」と男性。
「結局、人間は何も変わらずに生きてるような気がします。年をとった気がしないですよ」と女性。
いくつものアーチが支える鉄橋を走る列車の姿は絵になります。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、人生で初めて優しく男性に起こしてもらった。とは言っても、男性は車掌さん。列車の中で眠り込んでしまったのだった」
VDM (Vie de merde)より
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