エカルトゥール [アキテーヌ地方]
フランス南西部のランド県では、この土地伝統の闘牛が続けられてきました。
このランド県の闘牛、普通の闘牛とはちょっと趣が異なります。
剣もマントも持たないマタドールが牛と対決するのです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年10月3日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ここは人口2万人ほどの町ダックス(Dax)にある円形競技場。
ローマ時代の遺跡の一つか?と思ったら、1913年に作られた割に新しい競技場です。
その競技場で開催されたのが、ランド県伝統の闘牛です。
立派な角の生えた興奮気味の雄牛がギリギリまで近づいてきた瞬間にするりと雄牛をかわします。
剣も赤いマントもなし。
雄牛はロープに繋がれていますし、雄牛の気をそらす役割の人もいるようなので、恐ろしいことにはならないですみそうですが、血気盛んな雄牛と面と向かって勝負するのはやっぱり怖いです。
ランドの闘牛士はマタドールとは言いません。エカルトゥール(écarteur)と言います。
フランス語の動詞écarter(遠ざける、離す、追いはらう等々の意味合い)から来ています。
「ぶつかりそうになるギリギリの瞬間で避けるんですよ」とアレクサンドルさん。
アレクサンドルさんは2015年仏エカルトゥール選手権のチャンピオンです。
「アドレナリンが出ますよ。牛にぶつかることなく避けることができた瞬間は本当に嬉しいです。恐怖を乗り越えられた感じがします」とエカルトゥールの男性。
いつもうまくいくとは限りません。こんな場面にも出くわします。
観客も同じようにスリルを味わいながらエカルトゥールに拍手を送ります。
ただ避けるだけではない選手もいます。牛の上に飛び上がって宙返り。なんだかサーカスみたいですね。
「どんな年齢の人でも楽しめる競技です。音楽も流れて盛り上がります。会場の人たちと一緒になって観戦できるの素晴らしいです」と女性。
ランド県では年に一回、全国エカルトゥール選手権を開催しているそうです。
この闘牛、一般的なスポーツの一つとしてこの地方に根を下ろしているようです。
「先祖から代々受け継がれてきた伝統なんです。アリーナがこれだけの人でいっぱいになるんですからね。もうランド県の文化になってるんですよ」と、この大会を開催している組織の副会長さん。
両足を紐で結わえて牛の上を飛び越すエカルトゥールもいました。難度が高いです。
それに飛び越し方が美しいですね。
見ていて楽しいのは、スリル+避け方の美しさなのかもしれません。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、バスに乗っていると、憧れのイケメンが乗り込んできて隣に立った。そこでバスがブレーキをかけたのをうまく利用して、イケメンの両腕に倒れこもうとしたら・・・イケメンが飛び退いた」
VDM (Vie de merde)より
剣も何も持たない闘牛、初めて知りました!
そして、アクロバチーク!まさに、新体操並みですね!
あん馬じゃなく、あん牛?!と言いたくなりそうです。
アキテーヌ地方はやっぱりラテンの血が濃いのでしょうか。
スペインとも隣り合わせですよね。
by nicolas (2016-10-08 19:13)
nicolasさん
この地域はスペインに近いせいか風貌もスペイン人みたいな人がウロウロしてますね。そして闘牛の伝統もあるようです。この闘牛をビデオで初めて見たときは笑ってしまいました。ちょっと童心に返った気分です。男の子たちがスリルを求めてふざけて遊んでる感じですが、実際はかなり危険ですねえ。
by carotte (2016-10-12 11:02)