世界の名ホテル その1 [その他の国]
今日から5回のシリーズで、“レジェンド” と呼ばれる世界のホテルをセレクトして紹介します。
第一回目の今日はエジプトのアスワン(Aswan)にあるホテルOld Cataract Hotel(ホテル・オールド・カタラクト)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年10月3日に放送)(▸をクリックしても映像が出て来ない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
カイロから、エジプト伝統の帆船フェラッカに乗り、アスワン目指してナイル川を上ります。その距離約870キロ。
この感じだと到着までに数日かかりそうです。
やがて岸辺にヴィクトリアン様式の建物が姿を現します。これがオールド・カタラクトです。
「オールド・カタラクトの生命線がナイル川です。ナイル川がなかったらどうにもなりません」とエジプト人の船頭。
世界の要人たちが、ひとときの安らぎを求めてこのホテルにやってきました。
その一人が英国の元首相ウィンストン・チャーチル。スイートルームにその名が残されています。
家族とともにここで休暇を過ごしたようです。
窓を開けるとそこには広々としたテラスがしつらえてあり、ナイル川とその向こうに広がる山々が一望できます。
このテラス、チャーチルが使用していた頃と全く変わっていないそうです。
この上の階には、アガサ・クリスティーが宿泊によく使っていた部屋があります。
ここで執筆されたのが「ナイルに死す」(1937年作)。
このスイートルームは数年前にリノベーションを終えたばかり。バスルームも豪華で品があります。
こちらも窓からナイル川の素晴らしい眺めを堪能することができます。
支配人が地下の倉庫に面白いものがあると案内してくれました。
そこにあったのは・・・アガサ・クリスティーが使っていた椅子とタンスです。オークションにかけたら高額で落札されそうな・・・。
伝説的ホテルにふさわしい客室の廊下。この廊下を歩いたのはチャーチルやアガサ・クリスティーだけではありません。
歴代のフランス大統領もまたここで静かな時間を過ごしました。
中でも一番足繁く訪れたのがフランソワ・ミッテランでした。
この赤い上下の男性は30年も前からここで働いているバーマン。
「ミッテランさんはSPがあまりお好きじゃありませんでした。ここならSPは必要ありませんからね。毎年お見えになってました。ですから従業員をファーストネームで呼んで親しくしてくださいました」
ミッテランはここがとても気に入っていたようで、亡くなる数週間前にも逗留していました。
そのミッテランも食事をしたというホテルのレストランがこちら。ため息が出るくらい見事な内装。
ベーズレーの大聖堂を少し俗っぽく改修するとこんな感じになりそうな・・・。
「あの突き当たりにあるのが各国の大統領や王族の方々にお使いいただいているテーブルです」とバーマン。
「ここは宿泊客なら誰でも使えるんですか?」と取材班。
「いえ、ここは要人の方が突然お見えになった時のために常にリザーブしてあります」
このレストランは、映画「ナイルに死す」(1978年公開)の撮影にも使われたそうです。
オールド・カタラクトが建てられたのは1899年。2008年から約2年かけて改修工事が行われ2011年に新装オープンしました。
現在の正式名称はSofitel Legend Old Caract Hotel。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、二週間のバカンスを過ごすため、飛行機に乗って4時間、バスに揺られて2時間、やっとホテルに到着。するとすれ違いざまに宿泊客の声が聞こえた。『ああ、やっとこのひどいホテルともおさらばだ!』」
VDM (Vie de merde)より
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