世界の名ホテル その4 [イタリア]
一気に涼しくなりました。長袖のシャツに上着が必要ですね。このくらいの季節が一番落ち着きます。
さて、シリーズの四回目は、イタリア屈指の観光地ヴェネツィアにあるホテルを訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年10月6日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
この眺め、水の都とはよく言ったもんですね。ヴェネツィアだということがすぐにわかります。
ドゥカーレ宮殿とサンマルコ広場の鐘楼が見えてきました。
この水上タクシーに乗った親子が向かった先が、本日紹介するホテル・ダニエリ(Hotel Danieli)です。
ファサードにDANIELIの文字が刻まれたこの建物です。
桟橋ではなく、ボート専用の入り口からホテルに入ります。ちょっとセレブになった気分ですね。
ロビーの中はこんな造り。見とれてしまいます。
ヴェネチアン・ゴシック建築のこの建物は、元は15世紀にダンドロ家によって建てられた宮殿でした。
いわゆる王家や貴族の住まいとして建てられたパラッツォです。
こうして眺めてみるとフランスにあるパサージュのようですね。
「このテラスからの眺めがまた素晴らしいんですよ。正面にはサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂が見えています」と父。
ホテルの中を案内してくれるのがこちらのコンシエルジュです。
「ここが最高ランクのスイートルームです。ヴェネツィア全体でも一番の部屋です。お泊りになるのは国家元首や大臣、また大企業の社長さんや俳優さんたちです」
部屋の広さは150㎡。ベッドルームの天井には17世紀に描かれたフレスコ画。そしてバスタブは大理石。
また窓を開ければ、先ほどのサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂が目の前に姿を現します。
「ヴェネツィアのことはよく知っていますが、ここから眺めるたびに感動してしまいます」とホテルの方。
ホテル・ダニエリは、この二人の熱い恋の舞台にもなりました。
ここで開かれたパーティーで、マリア・カラスとオナシスは出会います。当時、二人とも既婚者でした。
「二人とも出会った瞬間から熱い視線を交わしていました。そして恋に落ちたのです」
また、ヴェネツィア国際映画祭では多くの映画スターが訪れたことでも知られています。
30年以上も前からホテルのバーで働いているロベルトさんは、その映画スターの素顔を見ることができました。
特に印象に残っているのがこの方。
「ある日、ポール・ニューマンさんが群がるファンから逃れてこのバーへやってきました。そして、少し静かにしていられる場所はないか、と聞いてきたのです。そこで私は、こちらなら大丈夫ですよと案内したんです。彼はしばらくこのテーブルで休んでからおもむろに立ち上がると、カウンターのところまでやってきて、ありがとうと言ってくれたんです」
この一件はロベルタさんにとって忘れられない思い出になったようです。
ヴェネツィアには歴史あるパラッツォがずらりと並んでいて、外から見たホテル・ダニエリも何の変哲も無いその中の一つという感じですが、歴史を辿るとこのホテルにしかないものがあるようです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、彼と二人で週末を過ごすためにベネツィアにやってきた。運河にゴンドラ!何と言っても恋の街だもの、なんて興奮していると、彼が言った。『トゥームレイダーみたいで超かっこいいねえ〜』『・・・』」
VDM (Vie de merde)より
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